マシニングセンタとは?マシニングセンタ特徴と周辺機器を解説
- 更新日:
- 2022/08/31 (公開日: 2020/06/02 ) 著者: 甲斐 智
マシニングセンタは、切削加工で使われる「NC工作機械」のひとつです。
「金属加工」を代表する工作機械として、世界中で広く使われています。
マシニングセンタでつくられる製品は、高い精度がもとめられる自動車エンジン部品をはじめ、金型・スマホ筐体・電子部品などさまざま。
いままで複数の工作機械で行なっていたフライス・穴あけ・中ぐりなど、 複数の切削工程を1台の機械に集約 することができます。
この記事では、切削加工の現場で活躍しているマシニングセンタや周辺機器、ATCや治具の種類について解説しています。
マシニングセンタってどんな機械?
マシニングセンタは、切削加工で使われる「NC工作機械」です。
NCによる自動制御と、ATC(自動工具交換装置)により、
24時間の無人稼働
ができます。
APC(自動パレット交換)や、回転テーブルとの組み合わせで、複雑な加工にも対応可能。
近年では加工工程の集約によって、多機能・高機能化が進んでいて、さまざまな機能を融合させた複合加工機も増えています。
日本のものづくりを陰で支えている、産業機械 です。
マシニングセンタ:引用元: 日本工作機械工業会「マシニングセンタ」
中ぐり、フライス削り、穴あけ、ねじ立て、リーマ仕上げなど多種類の加工を連続で行えるNC工作機械で、それぞれの加工に必要な工具を自動で交換できる機能を備えています。
機械の軸構成によって横形、立て形、門形など各種のマシニングセンタが使われています。
金属加工の現場では、「マシセン」や「M/C」ともよばれています。
英語では、〔CNC Machining Center〕と表記されます。
マシニングセンタでできる加工
マシニングセンタは、NCフライス盤やNCボール盤による「切削加工」を1台に集約。
複数のツール(刃物)を交換しながら使い分けることで、1回の段取りでさまざまな切削加工ができます。
ツール(刃物)の位置や回転速度は、NCプログラムによって自動で制御されます。
「フライス加工」について解説
「穴あけ、リーマ、タップ加工」について解説
「中ぐり加工」について解説
マシニングセンタの種類
マシニングセンタは、主軸の向きや、加工の目的によって分けられます。
ここでは、金属加工の現場で活躍している代表的なマシニングセンタを紹介します。
- 立形マシニングセンタ
- 横形マシニングセンタ
- 門形マシニングセンタ
- 小型マシニングセンタ
- 5面加工機
- 5軸加工機(5軸マシニングセンタ)
- 複合加工機(ターニングセンタ)
立形マシニングセンタ
立形マシニングセンタは、主軸(刃物の回転軸)が縦向きになったマシニングセンタです。
金属の上からツールをあてて、切削加工します。
引用元:ポリテクセンター広島|マシニングセンタ
加工テーブル(作業スペース)が広く、1面加工(上面だけの加工)が多い「金型加工」に向いています。
主軸が上にあるため省スペースで、小~中物の加工で広く使われています。
「図面」と「ワーク(切削中の金属)」の向きがおなじため、加工内容が直感的にわかりやすいのも特徴です。
切粉がたまりやすく加工不良の原因となるため、エアブローやクーラントによる切粉の確実な排出がかかせません。
立形マシニングセンタと代表的なメーカーを解説
横形マシニングセンタ
横形マシニングセンタは、主軸(刃物の回転軸)が横向きになったマシニングセンタです。
金属の側面からツールをあて、切削加工します。
金属の側面を加工できるため、箱モノなどの立体加工に向いています。
立形マシニングセンタにくらべ、段取り(加工ワークの取り替え)が少なく済むため、ワークの位置ズレによる加工精度の低下がありません。
また多面イケール(治具)に加工ワークを複数取り付けて、同時に加工することもできます。
切粉が下に落ちるためたまりにくく、長時間の無人稼働にも向いています。
加工ワークを支える力が必要なため、重い材料の加工には適しません。
横形マシニングセンタと代表的なメーカーを解説
門形マシニングセンタ
門形マシニングセンタは、主軸(刃物の回転軸)が縦向きになったマシニングセンタです。
大型のものが多く、主軸を支える構造が「門」のカタチになっているのが特徴です。
加工テーブル(作業スペース)が広いため、船のプロペラや発電機のタービンなど、大きな金属の重切削に向いています。
コラムとよばれる「門」の前方に主軸があるため、重量バランスによる傾きに注意が必要です。
主軸先端のアタッチメントを交換することで、さまざまな加工に対応できます。
アタッチメントの例
- スナウト(一般加工用)
- 30°ヘッド(金型加工用)
- アングルヘッド(側面加工用)
- ユニバーサルヘッド(曲面加工用)
- 5面加工ヘッド(5面加工用)
門形マシニングセンタと代表的なメーカーを解説
小型マシニングセンタ
小型マシニングセンタは、タレット式のATC(旋回式の工具交換装置)と30番の主軸の搭載した小型のマシニングセンタです。
もともとは、複数のドリルを搭載した「穴あけ加工機」として誕生。
その後、高速・高精度化や、周辺機器の進化によって、小型のマシニングセンタとして使われるようになりました。
電子部品用の金型加工や、スマホ本体の加工機械として、世界中で広く活躍しています。
小型マシニングセンタと代表的なメーカーを解説
微細加工機
微細加工機は、マシニングセンタの加工精度を極限まで追求した超精密加工機です。
ミクロン〜サブミクロンの高い加工精度で、精密レンズや光学金型など「微細加工」の分野で使われています。
カメラや半導体の小型化にともない「高い微細加工技術」がもとめられるなか、日本メーカーの微細加工機が世界中で活躍しています。
5面加工機
5面加工機は、ユニバーサルヘッド(旋回工具)を搭載した、門形マシニングセンタです。
工具を旋回させて角度を変えることで、ワークの側面(4面)と上面(1面)の「5面加工」ができます。
段取り(加工ワークの取り替え)が1回で済むため、ワーク交換時の位置ズレがなくなり、加工精度があがります。
大型の金型加工や、複雑な部品の加工に適しています。
5面加工機には、大型船舶のプロペラ加工に特化した「翼面加工機」などの大型機械もあります。
従来のマシニングセンタに「ユニバーサルヘッド」を搭載することで、5面加工に対応させた機種もあります。
5軸加工機(5軸マシニングセンタ)
5軸加工機は、いままでの3軸加工(X/Y/Z)に、旋回軸(回転/傾斜)を加えた、5軸のマシニングセンタです。従来の3軸加工ではできない3次元曲面の加工や、アンダーカット(隠れた加工面)の加工ができます。
インペラ(航空機の内部プロペラ)などの、滑らかな曲面加工で使われています。
ターニングセンタ(複合加工機)
ターニングセンタは、「NC旋盤」をベースに、「マシニングセンタ」の機能を一体化させた複合加工機です。
いままでのマシニングセンタによるフライス加工に加え、ワーク回転による旋削加工ができます。
ユニバーサルヘッド(交換式の旋回工具)の搭載で、5軸加工にも対応。
加工工程の集約によって多機能化が進んでおり、機種の壁を超えた工作機械が増えています。
ツインスピンドルマシニングセンタ
ツールの主軸を2基備えたマシニングセンタです。
2個のワークを1サイクルで同時加工することができ、生産性が飛躍的に上がります。
スマートフォン部品などの小型ワークの加工ラインでは、4基以上の主軸を備えたマルチスピンドルフライス盤なども活躍しています。
グラインディングセンタ
グラインディングセンタは、「マシニングセンタ」をベースに、「NC研削盤」の機能を一体化させた複合加工機です。
いままでのマシニングセンタでの切削加工に加え、砥石による研削加工ができます。
ダイヤモンド砥石やCBN砥石などの硬い砥石(超砥粒ホイール)によって、高硬度の金属加工にも対応。
加工工程の集約によって多機能化が進んでおり、機種の壁を超えた機械が増えています。
ライン対応型マシニングセンタ
FTL(フレキシブル・トランスファー・ライン)や、FMS(フレキシブル・マシン・システム)といった専用ラインで使用されるマシニングセンタです。
専用加工機として、大量生産の加工ラインに組み込まれて使われます。
加工テーブルが固定されていて、ワークの搬送や機械同士の連結がしやすいよう、機械を覆うカバーがありません。
従来のNC専用機にくらべ汎用性が高く、加工内容によって生産ラインを柔軟に変えることができます。
CNC歯科用ミリングマシン
歯科用ミリングマシンは歯科技工の分野で使われる、小型のマシニングセンタです。
小径ツールを自動交換しながら、歯型や義歯などを自動で削り出します。
ATC (自動工具交換装置)とは?
ATCは、「Auto Tool Changer」(自動工具交換装置)の略です。
切削プログラムにあわせて、自動でツールを交換しながら加工をすることができます。
マシニングセンタ最大の特徴である、「長時間の連続運転」に欠かせない装置です。
ツールには全て「工具番号」が付けられており、その番号をNCがよびだすことで、正確な交換ができます。
ツールの代わりに「タッチプローブ」などの測定センサを搭載することもできます。
ATCの種類
ATCは、「タレット式」と「マガジン式」に大きく分けられます。
タレット式ATC
刃物台が回転してツールを交換する、「旋回式」のATCです。
主軸と刃物台が一体のため動きにムダがなく、ツールの交換スピードがはやいのが特徴です。
ツールのサイズや重さが限られるため、BT30番の小型マシニングセンタなどで採用されています。
FUNUC社のロボドリルでは、14本/21本収納タイプが標準です。
マガジン式ATC
「ツールマガジン」に収納した工具を、チェンジアームを使って主軸に換装します。
たくさんのツールが収納でき、BT40番やBT50番などの大きなシャンクにも対応できます。
一般的なマシニングセンタで多く採用されています。
ATCマガジンには、30~数百本ものツールを収納することができます。
CNC工作機械の自動化システムの需要拡大を背景に、大容量ツールマガジンのニーズが高まっています。
ツールマガジンの種類
工具を収納するツールマガジンは、構造によって3つのタイプに分けられます。
使うツールの本数や、設置スペースによって使い分けされています。
- ドラム式ツールマガジン
- チェーン式ツールマガジン
- マトリックス式ツールマガジン
- ドラム式ツールマガジン
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「円周上」にツールを配置したツールマガジンです。
ツールマガジンを回転させて、ツールを主軸の側まで移動させます。工具の収納本数は20〜30本ほどのものが多いです。
- チェーン式ツールマガジン
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ツールを「チェーンで連結」させたツールマガジンです。
チェーンの駆動によって、ツールを主軸まで移動させます。30本以上の工具収納が可能で、チェーンの配列によっては200本以上を収納できます。
- マトリックス式ツールマガジン
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ツールを「格子状」にならべてラックにストックした、ツールマガジンです。
専用の工具搬送装置を使って、ツールをピックアップします。100本以上の工具を収納することができます。
(さらに容量を増やすには、外部マガジンを増設し専用ローダーで結ぶ方法もあります)
ATCの交換時間について
ATCの能力をあらわす「工具交換時間」には、3つの指標があります。
高速加工に対応するため、より交換スピードのはやいATCが開発されています。
ATCの性能指標
- Tool to Tool(ツール・ツー・ツール)
- Cut to Cut(カット・ツー・カット)
- Chip to Chip(チップ・ツー・チップ)
Tool to Tool(ツール・ツー・ツール)
チェンジアームの動作時間です。
待機状態のチェンジアームが工具を交換して、もとの位置に戻るまでの時間です。
Cut to Cut(カット・ツー・カット)
工具交換にかかるトータルの時間です。
主軸の回転を停止させ → 工具を交換 → 主軸を再び回転させるまでの時間です。
Chip to Chip(チップ・ツー・チップ)
ひとつの加工を終えてから、つぎの切削がはじまるまでの時間です。
Cut to Cut とくらべより実質的な工具交換時間で、加工工程の時間算出にも使われます。
マシニングセンタの周辺機器について
マシニングセンタはさまざまな周辺機器を利用することで、精度や生産性が飛躍的にあがります。
マシニングセンタと一緒に使われる代表的な周辺機器について紹介します。
マシニングセンタで使われる自動化装置
工作機械業界では少子高齢化や少量多品種生産を背景に、自動化システムの導入が急がれています。
マシニングセンタで使われる自動化装置は、ワークの種類や生産量に応じて使い分けが重要です。
APC(自動パレット交換装置)
APC〈Auto Pallet Changer〉は、パレットを自動で交換する装置で、横形マシニングセンタで多く採用されています。
(パレットとは、交換式のテーブルユニットのことです)
加工ワークをパレット単位で自動交換することで、夜間や休日の無人稼働が実現。
あらかじめワークを取り付けた状態で準備しておけるため稼働率が向上します。
マシニングセンタの狭い機内とくらべ、広い場所でワークの取り付けがでるため、作業性もあがります。
立体倉庫(パレットストッカー)を使い10台以上のパレットを順番に交換する「シャトル式」や、2台のパレットを旋回させて交換する「ターン式」など、さまざまな方式があります。
AWC(自動ワーク交換システム)
AWC〈Auto Work Changer〉は、加工ワークを自動で交換するシステムの総称です。
さまざまな工作機械の工程間に「産業用ロボット」などのハンドリングロボットを配置して、ワークを自動で交換します。
ロボットに計測センサなどを搭載し、加工後のワーク計測・不良品判別を行うこともできます。
マシニングセンタの高い汎用性を活かしながら、工場の自動化が実現します。
オートローダー(ガントリーローダ)
加工ワークを自動で着脱するための自動化装置です。
工作機械の頭上をワークが高速で移動する「ガントリーローダー」が主流。
量産部品の高速搬送に向いており、機械や工場のレイアウトに応じて専用設計されています。
マシニングセンタで使われる回転テーブル
回転テーブルは、加工テーブルと組みあわせて使われる「補助テーブル」です。
いままでの3軸(X/Y/Z)に回転軸を加えることで、多面加工や5軸加工ができるようになります。
ワークの段取りが短縮でき、APCとの組み合わせで無人の連続加工が実現します。
インデックステーブル(割り出しテーブル)
1°や5°単位の角度で位置を決めることができる、回転テーブルです。
割り出しテーブルともよばれます。
精密カップリング(伝導部品)の噛み合わせで、テーブルを駆動。
ワークを回転させることで4面加工に対応できますが、切削中の回転はできません。
ロータリーテーブル
0.0001°単位の角度で位置を決めることができる、高精度回転テーブルです。
ギアや歯車の噛み合わせで、テーブルを駆動しています。
傾斜テーブルとしても利用され、切削中にワークを回転させることで、3次元曲面や複雑形状の加工も可能です。
CNC円テーブル
ロータリーテーブル(回転)にチルト(傾斜)機能を持たせた、2軸回転テーブルです。
切削中にワークを回転させることができ、3次元曲面や複雑なカタチの加工ができます。
また機種によっては回転速度を上げることで、「NC旋盤」と同等の旋削加工ができます。
円テーブルを搭載することで、マシニングセンタを「テーブル型 5軸加工機械」としても活用することができます。
マシニングセンタで使われる測定センサ
ツールセッター
ツールセッターは、ツールの長さ(工具長)を計測するためのセンサです。
工具の加工原点を自動で検出し、NCにフィードバックすることで、ツールの摩耗をミクロン単位で補正します。
またツールの折損を検知し、加工不良を未然に防ぐことができます。
24時間の無人運転に欠かすことのできないセンサです。
タッチプローブ
タッチプローブは、加工後のワークの寸法を計測するためのセンサです。
ワークの測定・芯だし・位置決めにより、加工精度があがります。
マシニングセンタで使われる治具(ジグ)について
マシニングセンタのワークの固定には、治具(ジグ)が使われます。
「治具」は、加工中のワークが動かないように、テーブルにしっかりと固定するための取り付け工具です。
治具:引用元: 愛知県中小企業団体中央会「治具・ゲージ」
治具は英語のjigの当て字です。
工作物を固定し、作業を効率的に行うための装置の事を指します。
溶接、機械加工、メッキなどあらゆる作業の際に使われる固定装置はすべて冶具と呼ばれます。
加工に適した治具を使うことで、ワークの位置決めや平行出しが、高い精度で行えます。
また作業者による段取り(ワーク交換)時のバラツキがなくなり、作業効率も向上。
加工の自動化が進むなか、加工精度と作業効率を左右するたいせつな装置です。
治具(ジグ)の種類
治具には、加工ワークのカタチやNC工作機械の種類にあわせて、さまざまな種類があります。
多様な用途に使える「汎用治具」と、加工内容にあわせて専用設計された「専用治具」に分けられます。
汎用冶具
一般的に市販されている治具です。
マシニングセンタに限らず、さまざまなNC工作機械の加工ワークの固定に使われます。
ワークのカタチにあわせて、さまざまな汎用治具を組みあわせて使います。
コストが低く単発の加工に向いていますが、取り付けの熟練が必要です。
固定方法にあわせて、さまざまな種類があります。
- マシンバイス
- クランプ
- イケール
- チャックジグ
- ベースプレート
マシンバイス
もっともよく使われる、代表的な冶具です。
マシンバイスを加工テーブルのT溝にボルト固定し、ワークを機械にセットします。
DIYでも使われる「万力(まんりき)」とおなじ構造で、ハンドルを回しながらワークをつかみます。
加工ワークにキズがつかないよう銅板やアルミをはさんだり、ワークを底上げするために「パラレルブロック」とよばれる精密ブロックをはさむなど、ワークの確実な固定には工夫が必要です。
少ない力でもしっかりと固定ができる「油圧」による締め付け機構が主流です。
クランプ
ワークをテーブルに直接固定するための治具です。
マシンバイスではさめない大きなワークや、薄いワーク・複雑なカタチのワークを固定。
クランプをテーブルのT溝にボルト固定し、ワークを置いてクランプでおさえます。
ワンタッチでクランプができる「ハネクランプ」や、高さ調整ができる「ステップクランプ」など、さまざまな種類があります。
またエアの圧力でワークを固定する「エア式」クランプは、ロボットによるワークの交換や、機械の自動化に適しています。
イケール
ワークを直角に固定するための治具です。
「アングルプレート」ともよばれます。
イケールへのワークの固定はクランプが使われます。
「横形マシニングセンタ」の4面加工や、複数同時加工などでよく使われます。
チャックジグ
旋盤のチャックとおなじ構造の治具です。
汎用性が高いため、さまざまなワークに対応できます。
エアの圧力でワークを治具ごと固定する「ワンタッチ式」チャックは、ロボットによるワークの交換や機械の自動化に適しています。
ベースプレート
マシニングセンタのテーブルの上に乗せて使う、補助用のサブテーブルです。
ねじ穴や溝が規則的についた板状のプレートで、テーブルの上に固定して使います。
専用治具の取り付けや、ワークの機外段取りで使われます。
専用冶具
特定の加工のために設計された、専用の治具です。
汎用治具にくらべ精度が高く、取り付けの熟練が不要です。
機械の自動化にも対応でき、量産加工に向いていますがコストがかかります。
マシニングセンタの代表的なメーカー
日本を代表する三大工作機械メーカーは、「オークマ」「DMG森精機」「ヤマザキマザック」の3社があげられます。
いずれも日本を代表するグローバル企業で、大手自動車メーカーからエアバス・ボーイングなどの航空機部品まで、欧米でも高いシェアを誇ります。
メーカー | 特徴 |
---|---|
オークマ(株) | 工作機械の国内受注トップシェアメーカー |
ニデックオーケーケー(株) | 自動車部品加工に強い老舗の工作機械メーカー |
(株)ジェイテクト | CNC円筒研削盤の世界トップシェアメーカー |
DMG森精機(株) | 5軸加工に強みをもつ世界最大手メーカー |
(株)牧野フライス製作所 | 金型加工に強い大手工作機械メーカー |
ヤマザキマザック(株) | 創業100年を超える老舗工作機械メーカー |
\詳しいメーカー情報はこちら/
※メーカーについて | 本サイトの独自調査によりピックアップしています。 特定のメーカーをPRしたり、推奨するものではありません。 掲載希望や掲載に問題がありましたら、こちらよりお知らせください。 |
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マシニングセンタの歴史
引用元:Kearney Trecker Milwaukee-Matic II TGS-61 Milling System Training Manual
世界初のマシニングセンタは、アメリカの Kearney & Trecker 社が開発した、横形マシニングセンタです。
「NC横フライス盤」をベースに、約30本の工具をATC(自動工具交換装置)に収納し、すでに、回転テーブルとAPC(自動パレット交換装置)も搭載していました。
1960年、アメリカではじめて発表され、「ミルウォーキーマチック(MILWAUKEE-MATIC)」とよばれていました。
マシニングセンタの価格相場について
マシニングセンタの販売価格は、加工精度や機械のサイズによってさまざまです。
(加工オプションや周辺機器によっても、大きく変わります)
価格相場の目安
- 小型マシニングセンタ:約800万円~
- 一般的なマシニングセンタ:約2000万~4000万円
- 上位機種のマシニングセンタ:約3000万~5000万円
- 大型や高機能マシニングセンタ:約4000万~1億円超
マシニングセンタとは?まとめ
この記事では、切削加工の現場でつかわれているマシニングセンタの種類やATC、取り付け治具などの周辺機器を通して、マシニングセンタについて解説しました。
マシニングセンタは進化をつづけ、フライス加工だけでなく、旋削や研削も同時にできる最新機種が続々と発売されています。
また最近では、金属3Dプリンタと組み合わせ、金属を造形しながら削る複合機械も登場しています。
本記事が、マシニングセンタを知る「はじめの一歩」となればうれしいです。