
微細加工機とは?微細加工機とミクロンオーダーの微細加工事例
- 更新日:
- 2022/08/31 (公開日: 2020/11/25 ) 著者: 甲斐 智
微細加工機は、NC工作機械の種類のひとつ。
マシニングセンタの
加工精度を極限まで追求
した、超精密加工機です。
ミクロン〜サブミクロンの高い加工精度で、精密レンズや光学金型など「微細加工」の分野で使われています。
基本的な構造はマシニングセンタとおなじですが、リニアモータや徹底した温度管理システムを搭載し、ナノミクロン(nm:100万分の1ミリ)の再現性を発揮します。

微細加工機の構造
微細加工は「温度変化」や「外部環境」の影響を受けやすいため、恒温室での加工や振動対策がかかせません。
微細加工機には、精度を保つためのさまざまな装置やシステムが搭載されています。
(仕様は、メーカーや機種によって異なります)

微細加工機 – リニアモーター駆動
各軸(X/Y/Z)を超精密・高速に制御するため、リニアモーターによる駆動方式を採用。
駆動部に接触面がほぼないため、送り速度や位置精度が非常に高いことが特徴です。
微細加工機 – 油静圧案内(ガイド)
テーブル/サドル/主軸などの運動部には、非接触の油静圧案内(ガイド)を採用。
摩擦抵抗が小さく、高い運動精度が特徴です。
細加工機 – 油温コントローラ
クーラントや作動油の温度を、1/100℃単位で制御。
長時間加工による精度変化や、機械の熱変位を抑制します。
微細加工機 – 除振システム
振動をコントール(除振/制振)することで、高い位置決め精度を発揮。
振動対策には、設置スペースの基礎作りからはじめることもあります。
マシニングセンタの種類とATC・治具・価格を解説
微細加工機の用途
引用元:富士フイルム|微細加工品 受託製造サービス
微細加工機では、マシニングセンタではできない「真円度1ミクロン以下」の精密加工や、「1ミクロンピッチ」の微細溝加工が可能。
研磨加工と同レベルの「鏡面加工」も実現します。
また非球面レンズ金型の加工には、「精密非球面加工機」などの専用の微細加工機も使われています。
光学機器での用途

- 超小型レンズの加工
- 光学フィルムの加工
- 非球面レンズ金型の加工
- マイクロレンズアレイ金型の加工
半導体・医療機器での用途

- 電子部品用金型の加工
- 精密医療部品の加工
- 液晶ディスプレイ用金型の加工
- マイクロ流路チップの加工
- 微細コネクタや冷却フィンの加工
微細加工機の代表的なメーカー

カメラや半導体の小型化にともない「高い微細加工技術」がもとめられるなか、日本メーカーの微細加工機が世界中で活躍しています。
(株)ソディック | リニアモータ駆動ナノマシニングセンタ |
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高島産業(株) | 超小型微細加工機 |
(株)東洋機械製作所 | 微細精密横型加工機 |
(株)ナガセインテグレックス | 超精密微細加工機 |
碌々産業(株) | 超高精度高速微細加工機 |
◎あいう順・敬称略
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