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ツールセッターとは|工具長測定にかかせない「ツールセッター」の種類と使い方を解説

ツールセッターとは|工具長測定にかかせない「ツールセッター」の種類と使い方を解説

更新日:
2021/04/07 ( 2020/04/20 公開) 編集者: 甲斐 智
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周辺機器 | 工具 | 除去加工 |
       

ツールセッターは、CNC工作機械の工具の長さを計測するセンサです。

工具の長さ(工具長)をミクロン精度で自動計測し、NCにフィードバックすることで、工具の摩耗や発熱による工具の熱変位を補正。
CNC工作機械本来の高い加工精度を、発揮することができます。

また刃先のチッピング(欠け)や折れを検知し、機械を自動停止させることで、不良品の発生を未然に防止。
工具交換時に必要な、熟練作業者による試し削りや、NCへの手入力が不要になり、機械の自動化が実現します。

マシニングセンタNC旋盤など、 さまざまな工具を交換しながら切削をする「CNC工作機械」にかかすことのできない測定センサ です。

この記事では、NC工作機械で使われるツールセッターのさまざまな種類をかんたんに解説します。

工作機械とツールセッターについて|コメント
ツールセッターは、機械加工の自動化にかかせない重要なオプション装置です!

ツールセッターの使い方

マシニングセンタ用のツールセッターは、加工テーブルの端に取り付け、ドリルフライスエンドミルなどの工具長(工具の長さ)の計測に使われます。

ツールセッターの役割:
CNC工作機械における切削加工では、CNCマシニングセンタ用工具長セッタやCNC施盤用刃先センサなどのタッチスイッチを用いて、刃物工具の刃先位置を機内CNCシステムで自動的に補正し、高精度な加工を行っており、近年ミクロンレベルの精度が要求されている
引用元:中小企業庁|戦略的基盤技術高度化支援事業 研究開発成果事例集(P.205)
工作機械とツールセッターについて|ツールセッターってどうやって使われるの?

「接触式」の場合、工具の先端をツールセッターに押し込み高精度タッチ信号を出力。
その信号点の位置を「工作機械側のデジタルスケール」で読み取り、NCにフィードバックすることで、工具長を計測します。

工作機械とツールセッターについて|ツールセッターってどうやって使われるの?

あらかじめ加工前の全ての工具長を計測し、加工後に再計測することで、その長さの差分が「工具の摩耗量」として補正されます。

摩耗量が指定の値よりおおきくなった場合は、工具のチッピング(欠け)や折れとして、検出することもできます。

工作機械とツールセッターについて|ツールセッターってどうやって使われるの?

エンドミルによるミクロン代の精密加工では、中間仕上げの後、工具長を計測・補正し、仕上げ加工を行うことで、高精度加工を行います。

ツールセッターの種類と測り方〈マシニングセンタ用〉

工作機械とツールセッターについて|ツールセッターの種類〈マシニングセンタ用〉

マシニングセンタ用ツールセッターは、インライン(工作機械の機内)で使われ、計測方式によって「接触式」「レーザー式」があります。

工作機械とツールセッターについて|ツールセッターの種類〈マシニングセンタ用〉

接触式ツールセッター

工作機械とツールセッターについて|接触式ツールセッター

機械式の接触式ツールセッターです。
工具に直接触れるため、切粉やクーラントが飛び散る悪環境下でも、確実に工具長を計測することができます。

工作機械とツールセッターについて|接触式ツールセッター

扱いやすくコストも低いため、小型マシニングセンタから大型の5軸加工機まで、さまざまな機械に広く使われています。

エンドミルを側面から押し込むことで、工具の径を計測できるものもあります。

無線式はケーブルの取り回しが不要で、テーブルの可動範囲やレイアウトの幅が広がります。
また有線式はコストが低く、小型の機械に最適です。

レーザー式ツールセッター

工作機械とツールセッターについて|レーザー式ツールセッター

レーザーを使った、非接触式のツールセッターです。

工具に触れないためツールの回転を止める必要がなく、細いドリルでも負荷をかけずに計測することができます。
また物理的な接触部分がないため、計測時の工具衝突による破損の心配もありません。

工作機械とツールセッターについて|レーザー式ツールセッター

レーザーの発光部分にクーラントや切粉が付着すると誤検知の原因となるため、注意が必要です。

ツールセッターの種類〈NC旋盤用〉

工作機械とツールセッターについて|ツールセッターの種類〈NC旋盤用〉

NC旋盤で使われるツールセッターは、専用のアームに取り付けバイトの刃先検出に使われます。

工作機械とツールセッターについて|ツールセッターの種類〈NC旋盤用〉

普段はチャック脇の専用スペースに格納されており、計測時にアームがスイングしツールセッターが現れる仕組みです。
基本的な原理は、「マシニングセンタ用ツールセッター」とおなじです。

機内スペースの都合上、接触式のツールセッターが主流です。

バイト刃先のノーズR補正(刃先R補正)
旋盤ではバイトの刃先に丸み(ノーズR)があるため、ワークの回転中心付近やテーパーワークなど条件によっては、「削りすぎ」「削り残し」が出てしまうことがあります。
NC旋盤では「ノーズR補正機能」によって、刃先のR量をNCで計算しながら補正し、工具経路を生成しています。

ツールセッターの種類〈手動式〉

ツールセッターには手動式のものもあります。

手動式のツールセッターは機械の自動化には向いていませんが、汎用工作機械や作業者の補助用として手軽に使うことができます。

ツールプリセッター

工作機械とツールセッターについて|ツールプリセッター

ツールプリセッターは、NC工作機械の〈機外〉で使われる手動式のツールセッターです。

あらかじめ機外で工具の長さを計測し、その数値をNCに手動で入力。
外段取りによる工具長測定や、工場全体のツール管理などに使われています。

産業用ロボットと組み合わせた自動化システムもあります。

工作機械とツールセッターについて|ツールプリセッター

計測方式には、「マイクロメータ式」「ダイヤルゲージ式」「投影式」「光学式」などがあります。

簡易型ツールセッター

工作機械とツールセッターについて|簡易型ツールセッター
工作機械とツールセッターについて|簡易型ツールセッター

簡易型ツールセッターは、工作機械の〈機内〉で使われる手動式のツールセッターです。

計測時にテーブルにマグネット固定し、工具の長さを計測。
汎用工作機械での工具長測定や、作業者による工具交換時の補助として使われます。

工作機械とツールセッターについて|簡易型ツールセッター

計測方法には、ダイヤルゲージで数値を読み取るタイプや、LEDで接触点(原点)を知らせるタイプなどがあります。

ツールセッターとは?まとめ

この記事では、NC工作機械で使われるツールセッターのさまざまな種類をかんたんに解説しました。

インライン(工作機械の機内)で使われるツールセッターは、機械加工の自動化にかかせません。
工作機械購入時に「タッチプローブ」とあわせて、メーカーオプションで装着することも増えています。
とくに金型加工など「2面拘束タイプ」のシャンクを使う場合は、ツールセッターと組み合わせることで、さらなる精度向上が実現します。

本記事が、NC工作機械の自動化のヒントになればうれしいです。

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この記事の編集者

甲斐 智(KAI Satoshi)

甲斐 智(KAI Satoshi)

1979年 神戸生まれ
多摩美術大学修了後、工作機械周辺機器メーカーの販売促進部門
14年以上に渡り、工作機械業界・FA業界のWebマーケティングに携わる
技術専門誌への寄稿など
科学技術振興機構「J-GLOBAL」登録

株式会社モノト 代表
一般社団法人日本機械学会 特別員
東京商工会議所(東商 社長ネット)
日本商工会議所(ザ・ビジネスモール)

運営サイト:製造業のための「SEO対策のいろは」
Twitter:@monoto_kai

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