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タッチプローブとは|ワーク計測用タッチプローブの種類と原理

タッチプローブとは|ワーク計測用タッチプローブの種類と原理

更新日時:
2021/09/11 (2020/04/21 公開) 編集者:甲斐 智
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周辺機器 | 除去加工 |
       

タッチプローブは、NC工作機械の加工ワークの寸法を計測するタッチセンサです。

マシニングセンタなどの主軸に搭載し、ワークに接触させることで、ワークの正確な寸法をミクロン精度で計測し、NCにフィードバック。
加工後のワークの寸法計測を行うことで、NC工作機械の高い加工精度が発揮でき、 加工不良を未然に防ぐ ことができます。

また加工前のワークの位置決めを行うことで、段取り(ワーク取り付け)時間を削減。
熟練作業者による加工ワークの測定が不要になり、 機械の自動化が実現 します。

この記事では、NC工作機械で使われるタッチプローブの計測方法や、さまざまなタッチプローブの種類をかんたんに解説します。

工作機械とタッチプローブについて|タッチプローブは、機械加工の自動化にかかせない重要なオプション装置です!
タッチプローブは、機械加工の自動化にかかせない重要なオプション装置です!

タッチプローブってどうやって使われるの?

タッチプローブは、接触式の高精度タッチセンサです。

タッチプローブの先端を加工ワークに接触させ、高精度タッチ信号を出力。
その信号点の位置を「工作機械側のデジタルスケール」で読み取、NCに自動入力することで、ワークの位置や寸法を計測します。

工作機械とタッチプローブについて|タッチプローブってどうやって使われるの?

インライン(工作機械の機内)で使われるため、ワークを取り外す必要がなく、計測後の追加工がかんたんです。
ワーク寸法が指定よりも少ない場合は加工不良とすることで、不良品の流出を防ぐことができます。

工作機械とタッチプローブについて|計測データをNCに蓄積させることで、設備の保全や不良品の分析にも使われます

また計測データをNCに蓄積させることで、設備の保全や不良品の分析にも使われます。
機上測定(工作機械内での計測)では、工作機械の熱変異や振動などの影響を受けやすいため注意が必要です。

機上測定における計測誤差:
機上測定において計測精度に影響を与える誤差は2つに大きく分けられる。1つは加工機本体側がもつ誤差、もう一つは測定子がもつ誤差である。
機上計測で最もよく使われている測定子はタッチプローブである。 タッチプローブがもつ誤差には方向特性、繰り返し精度などがある。
引用元:マシニングセンタにおけるタッチプローブを用いた機上計測の基礎的研究(J-STAGE大阪工業大学

タッチプローブの使い方(用途)

工作機械とタッチプローブについて|タッチプローブのおもな用途

ワークの位置決め、原点出し

工作機械とタッチプローブについて|ワークの位置決め、原点出し

加工前のワークの端面を計測することで、基準面や加工原点を正確に決めます。
ワークの平行出しにも使われます。

ワークの寸法計測

工作機械とタッチプローブについて|ワークの寸法計測

加工後のワークの端面を計測し、寸法を測ります。
2点間の位置を計測することで、距離を割り出すこともできます。

ワークの内径計測

工作機械とタッチプローブについて|ワークの内径計測

加工後のワークの穴の内面を計測し、内径を測ります。
複数穴の「ピッチの測定」や、仕上げ加工前の「芯だし」にも使われます。

ワークの外径計測

工作機械とタッチプローブについて|ワークの外径計測

加工後のワークの端面を計測し、外径を測ります。
ターニングセンタなどの「旋削加工」の、ワーク外径計測にも使われます。

ワークの段差、溝幅測定

工作機械とタッチプローブについて|ワークの段差、溝幅測定

ワークの高さや横幅を計測し、段差加工溝加工の寸法を測ります。

タッチプローブの種類と信号伝達の原理

工作機械とタッチプローブについて|タッチプローブの種類

タッチプローブは普段、ATC(工具自動交換システム)の内部に格納されており、計測時によびだされて使われます。
そのため測定信号をワイヤレスでNCに伝達する必要があります。

工作機械とタッチプローブについて|タッチプローブの種類

伝達方式には、主に「赤外線方式」「無線方式」「誘電方式」があります。

タッチプローブ〈赤外線方式〉

工作機械とタッチプローブについて|タッチプローブ〈赤外線方式)
工作機械とタッチプローブについて|ッチプローブ〈赤外線方式)の受信機
タッチプローブ〈赤外線方式)の受信機

赤外線通信を使い、測定信号を受信機に発信します。
さまざまなメーカーのNC工作機械に広く採用されています。

タッチプローブ〈無線方式〉

無線通信(2.4GHz)を使い、測定信号を受信機に発信します。
通信範囲が広いため、複雑な動きの5軸加工機でも安定した通信ができます。

タッチプローブ〈誘電方式〉

誘導コイルを使い、測定信号を受信機に発信します。
タッチプローブ本体と受信機を、至近距離(数ミリ)に配置する必要があり、機内のレイアウトが限られます。

受信機からエネルギーを供給(無線給電)するため、タッチプローブ本体の電池が不要です

さまざまなタッチプローブ

工作機械とタッチプローブについて|さまざまなタッチプローブ

タッチプローブは、マシニングセンタ以外でも使われています。
それぞれの機械に専用設計されたものが多くあります。

NC研削盤用タッチプローブ

工作機械とタッチプローブについて|円筒研削盤用タッチプローブ

研削盤で使われる、有線式のタッチプローブです。
加工後のワークの端面を計測し、加工原点や外径を測ります。

工作機械とタッチプローブについて|平面研削盤用タッチプローブ

円筒研削盤砥石の摩耗検出や、NC平面研削盤のワーク高さ計測にも使われます。

タレット旋盤用タッチプローブ

工作機械とタッチプローブについて|ターニングセンタで使われる測定センサ
写真は、マシニングセンタでの使用例

CNCタレット旋盤で使われる、タッチプローブです。
加工前のワークのL寸を計測し、不良品を未然に防ぎます。

タレット(旋回式刃物台)に取り付けるため、ワイヤレスのものが主流です。

ロボット用タッチプローブ

工作機械とタッチプローブについて|ロボット用タッチプローブ

産業用ロボットで使われる、タッチプローブです。
溶接ロボットのワークの位置決めや、複雑な加工ワークの寸法計測に使われます。

タッチプローブとは?まとめ

この記事では、NC工作機械で使われるタッチプローブの計測方法や種類を、かんたんに解説しました。

インライン(工作機械の機内)で使われるタッチプローブは、機械加工の自動化にかかせません。
工作機械購入時に「ツールセッター」とあわせて、メーカーオプションで装着することも増えています。

本記事が、NC工作機械の自動化のヒントになればうれしいです。

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周辺機器 除去加工

この記事の編集者・プロフィール

甲斐 智(KAI Satoshi)
甲斐 智(KAI Satoshi)

1979年 神戸生まれ
多摩美術大学修了後、工作機械周辺機器メーカーの販売促進部門
15年以上に渡り、工作機械業界・FA業界のWebマーケティングに携わる
メーカーでは各種技術専門誌へ寄稿
文部科学省「学校と地域でつくる学びの未来」参加企業

所属
SNS・運営サイト

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