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【FA用語解説】レーザセンサとは?種類・原理から設置まで解説

更新日:
2025/10/15(公開日:2025/08/31) 著者: 甲斐 智
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製造ラインや検査工程の自動化・高精度化が求められるなかで注目されているのが、非接触で正確に距離や形状を測定できる「レーザセンサ」です。μm単位の精密測定や狭所での検出にも対応できるレーザセンサは、品質の安定と生産性向上に貢献します。

本記事では、レーザセンサの基礎知識や種類、用途別の選び方からトラブル対処法まで詳しく解説します。

レーザセンサについて|自社に最適なセンサ導入を検討している方は、ぜひ参考にしてください。
自社に最適なセンサ導入を検討している方は、ぜひ参考にしてください。

レーザセンサとは

レーザセンサとは、光源として指向性の高いレーザー光を用いて、ワークまでの距離・有無・形状・変位などを測定するセンサデバイスの総称です。非接触で測定できるため、測定ワークを傷つけたり、汚したりする心配がありません。

センサの投光部からレーザー光をワークに向けて照射し、反射してきた光やワークを透過した光をセンサの受光部で検出する仕組みです。受光した光の強さや戻ってくるまでの時間、受光位置などの情報を信号処理部で解析・演算することで、ワークの情報を取得します。

レーザー光は、LED光に比べて広がりが少なく直進性が高いため、遠くまで届きやすく微小なスポットへの集光も可能です。そのため、μm単位の高精度な測定や、限られたスペースでの測定にも対応できます。

レーザセンサと他センサとの違い

レーザセンサについて|レーザセンサと他センサとの違い

レーザセンサと他センサとの違いは、以下のとおりです。

  レーザセンサ 光電センサ ファイバセンサ 超音波センサ
光源・原理 レーザー光による反射・変位検出 LED光による反射検出 光ファイバで光を送受信 超音波の反射時間を計測
検出精度 高精度
(μm単位の測定が可能)
中程度
(一般的な有無検出などに適する)
高精度
(光源により変動)
低~中程度
(mm単位、用途による)
検出距離 長距離対応
(数m以上も可能)
中~短距離 数cm~1m程度
(光源・ヘッドにより異なる)
中距離
(数cm~数m程度)
設置自由度 本体サイズが大きく、やや制限あり 小型タイプも多く、比較的自由 高い
(小型ヘッドで狭所設置が可能)
中程度
(サイズは小さいが設置環境に注意)
耐環境性 光・温度・湿度・浮遊物・振動などの影響を受けやすい 光学的条件の影響を受けやすい アンプを離せるため過酷な環境に強い 温度・風・湿度などの影響を受けやすい
応答速度 速い
(光を使用)
速い 速い
(光の伝送)
遅め
(音速に依存)

レーザセンサは、高い直進性と微小なスポット径をもつレーザー光を用いており、μm単位の精密な測定や狭所での検出が可能です。

光電センサは、検出精度や微小物体の検出能力ではレーザセンサに劣るものの、構造がシンプルで低コストという利点があります。ファイバセンサは、センサヘッドとアンプが分離している構造によって、狭い場所や過酷な環境への設置に優れています。

レーザセンサについて|用途や設置環境に応じて、適したセンサを選びましょう。
用途や設置環境に応じて、適したセンサを選びましょう。

レーザセンサの種類と仕組み

レーザセンサについて|レーザセンサの種類と仕組み

レーザセンサの種類と仕組みを解説します。

〈レーザセンサの種類〉

レーザセンサと一口に言っても、測定方法や得意とするアプリケーションは多岐にわたります。

レーザセンサについて|解説する内容を参考に、自社に適したレーザセンサ選定に役立ててください。
解説する内容を参考に、自社に適したレーザセンサ選定に役立ててください。

反射型

反射型は、レーザー光を照射する投光部と、ワークから反射した光を受け取る受光部が1つの筐体(ハウジング)に収められている仕様です。ワークからの反射光を利用して、物体の有無や距離、変位や形状などを測定します。

センサをワークの片側に設置するのみで、測定できるのがメリットです。透過型のように投光器と受光器をワークの両側に設置する必要がないため、設置の自由度が高く、取り付け作業も比較的容易です。

反射型センサは、工場の部品検出・ロボットの位置決め・AGVの走行制御など、幅広い用途で活躍しています。

透過型

透過型は、投光器と受光器が別体で構成されており、検出対象を挟むように対向して設置されるタイプです。投光器からのレーザー光がワークによって「遮られる」か「透過する」かを判断して、物体の有無・通過・エッジ位置などを検出します。

透過型の特徴は、ワークの色・材質・光沢・汚れなどの影響をほとんど受けず、安定した検出が可能な点です。レーザー光の高い直進性によって不要な回り込みを抑え、精密な検出を実現します。

そのため、形状や色がばらばらな部品が流れる生産ラインや、透明フィルムやガラスのエッジ検出、穴の有無の判別などに活用されています。

位置判別型

位置判別型レーザセンサは、ワークの有無だけでなく、正確な距離や位置情報を連続した数値データとして出力するセンサです。アナログ出力やデジタル通信で測定値を取得できるため、寸法測定や位置制御、形状認識などで活用されています。

三角測量方式やTOF方式が用いられており、得られた測定結果を連続的な信号に変換して出力します。特に、CCDやCMOSなどイメージセンサを受光素子に採用したモデルは、反射光の位置や形状を読み取り、ワークの色や状態の変化にも強いのが特徴です。

レーザセンサの用途例

レーザセンサの用途例を紹介します。

〈用途例〉

レーザセンサについて|レーザセンサの用途例を理解して、自社への導入イメージの参考にしてください。
レーザセンサの用途例を理解して、自社への導入イメージの参考にしてください。

製造業:ワーク検出・検査

レーザセンサについて|製造業:ワーク検出・検査

製造業の生産ラインでは、ワーク(加工ワークや部品)の有無検出・位置決め・寸法測定・外観検査など、品質管理と自動化に幅広く活用されています。μm単位の高精度・高速応答・非接触測定などの特徴が、生産効率や品質の安定に貢献しています。

金属・樹脂・ガラス・紙など幅広い材質に対応できる点も、現場で多く採用されている理由の1つです。例えば、部品の有無検出にはBGSセンサ、位置ズレの確認には位置判別型センサ、寸法や形状の測定にはレーザ変位センサや形状測定センサが使われています。

目視や接触式で検査している工程は、レーザセンサを導入することで自動化と精度向上が期待できます。

自動車業界:組み立て工程の自動化

レーザセンサについて|自動車業界:組み立て工程の自動化

自動車の組み立て工程では、部品の位置決め・組み付け精度の確認・完成車検査など、さまざまな工程で活用されています。自動車は数万点におよぶ部品から構成されており、決まった時間内にすべての部品を正確かつスピーディーに組み立てる必要があります。

特に形状が複雑なボディやシャシー、エンジン部品はμm単位の精度が求められるため非接触かつ高精度なレーザセンサが活躍中です。

例えば、ロボットアームがボディパネルを掴む際には、レーザセンサで位置ズレを計測し、アームの動作を補正します。溶接工程では、レーザ変位センサで溶接位置やビードの形状を確認し、品質を担保します。

工程のさらなる自動化や精度向上を目指すのであれば、最新のレーザセンサ技術の導入を積極的に検討しましょう。

レーザセンサのメリット

レーザセンサについて|レーザセンサのメリット

レーザセンサを導入するメリットを解説します。

レーザセンサについて|メリットを考慮して、レーザセンサの導入を検討してください。
メリットを考慮して、レーザセンサの導入を検討してください。

非接触で測定できる

レーザセンサは測定対象に物理的に触れることなく、距離・変位・形状・有無などの測定が可能です。ワークからの反射光や透過光の変化を捉えて測定するため、接触式のセンサのようにプローブを当てる必要がありません。

非接触という特性によって、柔らかい素材や塗装直後の製品でも、ワークを傷つけたり変形させたりする心配なく測定できます。測定時の汚れやセンサによる汚染リスクもないため、クリーンルームや食品・医薬品業界など衛生管理が求められる環境にも適しています。

また、高速移動中や高温の物体など、接触が困難な対象に対しても安全かつ正確な測定が可能です。測定による摩耗もなく、センサの長寿命化にもつながります。

接触式の測定に課題を感じている場合は、レーザセンサへの切り替えによって、品質向上・生産性向上・測定対象の拡大などの改善が期待できます。

狭い隙間・斜めから測定ができる

レーザセンサは、レーザー光の高い直進性と小スポット径という特性によって、物理的にアクセスしにくい狭い隙間を通しての測定や、斜めからの測定にも対応可能です。レーザー光は一般的なLED光に比べて拡散しにくく、レンズでμm単位のスポットに集光できるため、わずかな隙間があればその先にある対象を正確に捉えられます。

例えば、機械内部の部品の有無や位置をセンサ本体を入れずに検出したり、組み立て後の製品内部寸法を外部から測定したりする用途に有効です。設置スペースの都合でセンサを斜めにしか配置できない場合でも、測定が可能なケースが多くあります。

コンパクトで設置自由度が高い

レーザセンサの小型化が進んだことで、省スペースへの設置が可能です。近年、レーザーダイオードやCMOSセンサなどの小型・高性能化により、指先に乗るような超小型モデルも登場し、設置自由度が向上しています。

なかには指先に乗るほど小型なモデルもあり、ロボットの先端や装置内部など限られたスペースへの組み込みに最適です。可視光レーザーを採用したモデルであればスポットを目視でき、位置合わせも容易です。

既存設備への追加や装置の小型化、作業効率化を図るうえで、コンパクトなレーザセンサを導入する現場が増えています。

レーザセンサのデメリット

レーザセンサのデメリットは、周囲の環境に測定精度が左右されることです。特に、光・温度・湿度・浮遊物・振動などの影響を受けやすい側面があります。微弱なレーザー光の反射や、透過をもとに測定を行う光学デバイスであるためです。

外部からの強い光は正常な受光を妨げ、温湿度の変化はセンサ内部の電子回路や光学部品(レンズなど)に影響を与える可能性があります。空気中の浮遊物(粉塵、ミストなど)はレーザー光を遮断・散乱させ、振動や衝撃は光軸のズレや内部部品の破損を引き起こす原因になります。

周囲からの影響を最小限に抑えて、安定した測定をするには事前の対策が重要です。外乱光にはフードや変調光方式の採用、温湿度変化にはヒーター付きモデルの導入、粉塵にはエアパージや定期清掃が効果的です。

環境に合ったセンサ選定と事前の保護措置を講じることで、測定精度を維持できます。

レーザセンサの失敗しない選び方

レーザセンサについて|レーザセンサの失敗しない選び方

数あるレーザセンサのなかから、目的に応じたセンサを選ぶ際のポイントを解説します。

レーザセンサについて|以下で解説する内容を参考に、自社に適したレーザセンサを探してみてください。
以下で解説する内容を参考に、自社に適したレーザセンサを探してみてください。

用途で選ぶ

レーザセンサを選ぶうえで行うべきは、「何のために使うのか」という用途の明確化です。レーザセンサにはさまざまな種類があり、それぞれ得意とする測定内容や性能が異なるためです。用途が曖昧なまま選ぶと、高価すぎる機種や性能不足の機種を選定してしまうおそれがあります。

まずは、測定ワークの種類(金属部品・液体・構造物など)と、どのような情報を得たいのか(例:有無、距離、形状など)を具体的に整理しましょう。

例えば、有無検出には距離判別型や透過型、高精度な寸法測定には変位センサなど、用途に合ったセンサの種類を効果的に絞り込めます。使用目的を明確にすることが、性能や設置環境を検討する際の土台になります。

性能で選ぶ

用途が定まったら、目的を達成するために必要な「性能」をもつレーザセンサを選びます。性能が不足すれば正確な測定ができず、逆に性能が過剰だとコストが無駄になります。求められる性能を具体的な数値で明確にし、各製品の仕様を比較検討しましょう。

特に確認すべき主な指標には、検出距離・測定範囲・精度(繰り返し精度や直線性)・応答速度・サンプリング周期・スポット径などがあります。互いにトレードオフになることもあるため、バランスよく選ぶのがポイントです。

必要な性能を過不足なく満たす製品を選ぶことが、コストパフォーマンスの高い導入につながります。

設置環境で選ぶ

レーザセンサを安定して長期間使用するには、設置環境の考慮が不可欠です。

レーザセンサは光学機器のため、周囲の光・温度・湿度・粉塵・振動・電気的ノイズなどの影響を受けやすい特性があります。設置環境に合わない機種を選ぶと、誤動作や寿命短縮の原因になります。

選定時は温湿度範囲や結露の有無、水・油・粉塵の影響、外乱光の影響などを調査して、対応可能な製品を選びましょう。必要に応じてエアパージや保護カバーの導入や、事前の環境調査とメーカーへの相談によって、より適したセンサを選定できます。

レーザセンサの設置方法

レーザセンサの正しい設置は性能を最大限に引き出し、安定した運用を実現するために重要です。

レーザセンサを設置する際は、以下の手順で進めましょう。

〈設置手順〉

  • 1. 内容物と本体を確認し、安全対策を講じる
  • 2. センサ本体を安定した場所に取り付け、光軸を調整する
  • 3. 電源を切った状態で、正しく配線する
  • 4. ティーチングやキャリブレーションを実行する
レーザセンサについて|上記のステップを確実に行うことで、測定精度と信頼性の高い運用が可能になります。
上記のステップを確実に行うことで、測定精度と信頼性の高い運用が可能になります。

レーザセンサでうまく測定できない場合の対処法

レーザセンサでうまく測定できない場合は、以下の対処法を試してみてください。

〈対処法〉

  • 1. 電源・配線・レンズの基本項目を確認する
  • 2. 設置環境やワークの状態を見直す
  • 3. センサの設定を再調整する
  • 4. 定期メンテナンスを実施する
  • 5. 改善しない場合はメーカーへ相談する

レーザセンサがうまく測定できない場合、まず電源や配線、レンズの汚れなどの基本事項を確認しましょう。電源電圧や接続不良、レンズの汚れは意外と多い原因です。

問題が解消しない場合は、設置環境やワークの状態を見直しましょう。外乱光や不要な反射、複数センサによる干渉やワークの材質変化なども、誤動作の要因になります。

センサの設定を確認し、必要に応じてティーチングや動作モード、感度や応答速度の再設定を行うと安定性が向上することもあります。

それでも不具合が続く場合は、レンズ清掃や固定状態、配線の点検といった定期メンテナンスを見直してみましょう。最終的に改善しない場合は、センサ本体の故障が疑われるため、メーカーのサポートに相談するのが確実です。

レーザセンサのメンテナンス

レーザセンサについて|レーザセンサのメンテナンス

レーザセンサを長期間安定して運用するためには、定期的なメンテナンスが不可欠です。工場内の粉塵や油分、振動や温度変化などの環境要因によって、レンズの汚れや取り付けの緩み、部品の劣化などが進行します。

レーザセンサをメンテナンスする際は、以下の項目を重点的に確認しましょう。

〈メンテナンス項目〉

  • 1. レンズ面の清掃
  • 2. 固定状態の確認
  • 3. 配線やコネクタの点検
  • 4. 動作確認
レーザセンサについて|使用環境に応じた、適切な頻度で実施することが重要です。
使用環境に応じた、適切な頻度で実施することが重要です。

また、レーザーダイオードや電子部品にも寿命があるため、予兆を見逃さずに計画的に交換することが安定稼働につながります。

レーザセンサを導入して生産性を向上させよう

本記事では、レーザセンサの基礎知識から用途、選び方まで解説しました。

レーザセンサは、非接触・高精度・高速応答という特性を活かして、製造・自動車・医療業界など幅広い現場で活用されています。μm単位の測定や狭所での検出にも対応できるため、品質向上や生産性の向上に貢献します。

用途や環境に応じて適切な種類・機種を選び、正しく設置・運用・メンテナンスすることで、安定した測定と長期稼働が可能です。

目視や接触式の検査工程に課題がある場合は、レーザセンサ導入による自動化と効率化を検討してみてください。

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この記事の著者・監修者

甲斐 智
甲斐 智(Satoshi Kai)

1979年 神戸生まれ、多摩美術大学修了後、工作機械周辺機器メーカーに入社。
2020年に株式会社モノトを設立。長年に渡り工作機械業界・FA業界のWebマーケティングに携わる。
researchmap ID:R000028669
J-GLOBAL ID 202101006017437323

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