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金型とは|金型の種類・材質・金型加工技術と、ダイとモールドの違いについて解説

金型とは|金型の種類・材質・金型加工技術と、ダイとモールドの違いについて解説

更新日:
2021/01/20(2020/12/21 公開) 編集者:甲斐 智
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金型は「プレス機械」や「鍛造機械」などに取りつけて使われる、大量生産のための工具です。

金型の「形」を素材に「転写」することで、わずか2~3秒で部品を成形。
ちいさな部品だと、1分間に数百回もの加工が可能になります。

現代の工業製品にかかすことのできない 、重要な役割を担っています。

日本の金型加工技術は世界トップレベルといわれており、金型加工に使われる「NC工作機械」のシェアも世界一を誇ります。

この記事では金属加工の現場で使われる「金型」の材質や加工、さまざまな種類について解説します。

金型とは|コメント
工業製品の高度化にともない、金型精度もナノオーダーにまで広がっています!

大量生産にかかせない金型とは

金型とは|大量生産にかかせない金型とは

金型は、プレス加工鍛造(たんぞう)などの「塑性加工」や、鋳造(ちゅうぞう)による大量生産にかかせない工具です。

金型の精度は工業製品の品質を大きく左右するため、「生産工学の王」ともよばれ、日本の経済成長を支えてきた製造業の重要なノウハウのひとつです。

製造業での重要資産:
金型には設計情報を転写する機能があり、精密部品などの金型については、マイクロメートル単位の正確さが求められる。ドイツなどでは「金型は生産工学の王」であるとも表現される。
引用元: 金型|フリー百科事典「ウィキペディア(Wikipedia)」

金型にはプレス用や射出成形用など、用途に応じてさまざまな種類があり、金属だけでなく「プラスチック」「ゴム」「ガラス」などの広い分野で使われています。

ダイとモールドの違い?
金型は用途に応じて、「ダイ(Die)」や「モールド(Mold)」とよばれることがあります。

ダイは「開放型」の金型で、金型を金属に “押しつけて” 成形します。
(下型の受けをダイ、上型の工具をパンチとよぶ場合もあります)

一方モールドは「密閉型」の金型で、金型に金属や樹脂を “流し込んで” 成形します。
メーカーや現場によってもよび方がかわります。

金型に使われる材質

金型とは|金型に使われる材質

金型には大きな圧力と衝撃がかかるため、靭性(じんせい)の高い「合金工具鋼」や、耐摩耗性・耐熱性に優れた「高速度工具鋼(ハイス)」などの工具鋼が使われます。
超硬合金をつかったパンチや、さらに耐摩耗性を高めたセラミックスを使った金型もあります)

これらの材質はすべて切削しにくい「難削材」で、切削工具で金型工具を削ることになるため、加工には高い金型加工技術が求められます。

金型の加工について

金型とは|金型の加工について

大量生産に使われる金型ですが、製品ごとに専用設計されるため「少量多品種」が多く、その製造のほとんどは国内の中小製造業や金型メーカーが担っています。

金型の加工精度は「工業製品」の品質を大きく左右するため、一般的な部品加工にくらべ高い加工精度がもとめられます。

金型はすべての製品の原型となるため、金型製作には、高精度な部品加工や、それを組み立てるための高い技術力と知識が求められます。
引用元: 大分県立工科短期大学校|製品製造のマザーツールをつくる

ミクロンオーダーの金型の加工には、高い技術力とノウハウが必要です。

また金型の焼入れ(金属を硬くする熱処理)や表面処理後は、追加工や修正がむずかしいため、工業製品のモデルチェンジを意識した設計も重要になります。

金型の設計にはCAD/CAMを使った成形シミュレーションや、CAEによる解析技術が活用されています。

金型のトライと修正
加工後の金型はプレス機械にセットされ、実際のワークをもとに加工テスト(トライ)されます。
テスト結果をもとに上型と下型のはめ合いを調整し、作業者による磨きや機械による研磨によって修正していきます。

切削加工による金型加工

金型とは|金属加工の事例:ブレーキ部品

金型の多くは、マシニングセンタなどのNC工作機械によって加工されます。
複雑な3次元加工には「5軸加工機」や、仕上げ加工には「NC研削盤」を使った研削・研磨がおこなわれます。

放電加工による金型加工

金型とは|放電加工による金型加工

より精度の高い金型加工や、焼入れされた金型の加工には「型彫り放電加工機」や「ワイヤーカット」などの放電加工(EDM)技術が使われます。

金型の種類

金型とは|金型の種類

金型にはプレス加工や射出成形などの用途や、「曲げ」や「絞り」などの工程に応じてさまざまな種類があります。

プレス金型

「プレス金型」は、プレス機械鍛造機械にセットされて使われる、もっとも一般的な金型です。

自動車などの精密部品から家電などの日用品まで「工業製品の大量生産」にかかせない金型で、いくつものプレス金型を経て完成品へと成形されていきます。

プレス機械での金型交換には、ワンタッチ式やQDC(自動金型交換システム)があります。
QDCを使うことで、金型段取りの短縮と長時間の自動運転が可能です。

単能型(プレス金型)

金型とは|単能型(プレス金型)

「単能型」は、単工程加工(単発プレス)で使われるプレス金型です。

作業者が「単能型」に板材をセットし、一回のプレスでひとつの加工(抜き・穴あけ・曲げ など)をおこないます。
プレスされた部品は、つぎの工程に手作業で送られます。

プレス金型の基本形で、工業製品の成形にはたくさんの単能型が必要となります。
単能型はさらに、「ブランク型」「抜き型」「曲げ型」など機能ごとに細分化されます。

複合型(プレス金型)

金型とは|複合型(プレス金型)

「複合型」は単能型とおなじく、単工程加工(単発プレス)で使われるプレス金型です。

単能型と違い、一回のプレスで複数の加工(抜き/絞り・抜き/曲げなど)が同時にできるようになっています。

金型の構造が複雑になり強度が弱くなるなどの欠点もありますが、2~3つの工程を1つにまとめ、工数を削減することができます。

順送型(プレス金型)

金型とは|順送型(プレス金型)

「順送型」は、順送り加工で使われるプレス金型です。

ひとつの金型のなかに複数の型(加工ステージ)を組み込み、コイル材を等ピッチで自動送りしながら順番にプレスしていきます。

プレス金型のなかでもっとも生産性が高く、ひとつの金型で完成品まで成形することができます。

送りピッチの調整機能やキャリア・位置決め部品(パイロットピン)など機構が複雑なため、金型の製作には高度な技術とノウハウが必要です。

トランスファ金型(プレス金型)

金型とは|トランスファ金型(プレス金型)

「トランスファ金型」は、トランスファ加工で使われるプレス金型です。

単能型をならべたもので、単能型に搬送・位置決め機能を追加し、自動搬送装置(トランスファーフィーダ)に最適化させています。

加工は自動搬送装置で板材を移動させながら、工程ごとにプレスをおこないます。
加工スペースの高さが確保できるため、順送型ではむずかしい「絞り加工」にも対応することができます。

プレスライン金型(プレス金型)

金型とは|プレスライン金型(プレス金型)

「プレスライン金型」は、ロボットプレスラインで使われるプレス金型です。
単能型に搬送・位置決め機能を追加し、産業用ロボットに最適化させています。

無人の自動化ラインに最適で、順送型やトランスファ金型ではむずかしい大きなプレスにも対応することができます。

パンチ金型(パンチとダイ)

金型とは|パンチ金型

「パンチ金型」は、タレパンプレスブレーキにセットして使う専用金型です。

金属にパンチを押しつけることで、抜き・曲げ・絞りなどの工程をおこないます。
(通常のプレス金型においても、上型をパンチとよぶ場合があります)

金型とは|パンチ金型

下型のダイ(受け側)とセットで使われることが多く、ダイとのすきま(クリアランス)が部品の品質を大きく左右します。

ダイカスト金型

金型とは|ダイカスト金型

「ダイカスト金型」は、ダイカスト鋳造で使われるモールド用の金型です。
アルミや亜鉛などの溶けた金属を、金型に高速・高圧で注入し成形します。

ダイカスト金型による鋳物は、「ダイカスト」や「ダイキャスト」とよばれ、自動車部品をはじめ家電や建築材料など、さまざまな業界で使われています。

射出成形金型

金型とは|射出成形金型

「射出成形金型」は、樹脂射出成形や金属粉末射出成形(MIMとよばれる粉末冶金技術)で使われるモールド用の金型です。
溶けたプラスチックや金属の粉末を、金型に注入し成形します。

射出成形によるプラスチック製品は、自動車部品から家電・日用品まで多岐にわたります。

簡易金型

金型とは|簡易金型

「簡易金型」は、製品の試作や量産前のテストで使われる金型です。

アルミや亜鉛合金などでつくられるため、ハイスなどの高額な金型(本型)にくらべ、製作コストが低いのが特徴です。

耐久性が低く加工回数(ショット数)が限られるため、そのまま量産に転用することはできません。

複合成形金型

「複合成形金型」は、生産ラインの工数削減で使われる金型です。
金型の内部に複数の材料や部品をセットし、一回のプレスでさまざまな加工や組み立てを同時におこないます。

異種材料の接合や、部品のカシメ・圧入なども可能です。

金型で使われるセンサー

金型とは|金型で使われるセンサー品

プレス金型には、プレス不良や金型の破損を検出するため、さまざまなセンサーが使われています。

  • AEセンサ(超音波による金型破損検出)
  • 近接センサ(カス上がり検出、二枚打ち防止)
  • 光電センサ(製品やスクラップの排出確認)
  • 空圧センサ(上型・下型の密着確認)

金型とは?まとめ

この記事では、金属加工の現場で使われる「金型」の材質や加工、さまざまな種類について解説しました。

工業製品のモデルチェンジやライフサイクルが早くなるなか、金型業界ではより低価格・短納期の金型加工がもとめられています。
また製品技術の高度化にともない、金型の精度要求もナノオーダーにまで広がっています。

そんななか金属3Dプリンタを使った新しい金型加工が誕生するなど、日本の金型加工技術も大きく変わってきています。

この記事(金型)の編集者

甲斐 智(KAI Satoshi)

甲斐 智(KAI Satoshi)

1979年 神戸生まれ
多摩美術大学修了後、工作機械周辺機器メーカーの販売促進部門
14年以上に渡り、工作機械業界・FA業界のWebマーケティングに携わる
技術専門誌への寄稿など
科学技術振興機構「J-GLOBAL」登録
Twitter:@monoto_kai

株式会社モノト 代表
一般社団法人日本機械学会 特別員
東京商工会議所(東商 社長ネット)

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