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金型レスの光造形で試作を加速 – 高精度3Dプリンターとは

金型レスの光造形で試作を加速 – 高精度3Dプリンターとは

更新日:
2025/02/07 (公開日: 2021/10/21 ) 著者: 甲斐 智
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付加加工超精密3Dプリンター
     

試作のなかでも、もっともコストと時間がかかる金型製作

金型は射出成形などの樹脂成形に欠かせない加工工具ですが、その加工には切削・レーザー・放電など、精度の高い金属加工がもとめられます。

産業用3Dプリンターを導入することで、これら試作にかかるコスト・時間を大幅に削減することができますが、金型レスの3D造形には精度の高い3Dプリンターが必要です。

この記事では、ミクロンオーダーの光造形で業界をリードするBMF社(BMF, Boston Micro Fabrication)に、金型レスの3Dプリントのメリットと同社の超精密3Dプリンターについてお聞きしました。

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産業用3Dプリンターによる金型レスのメリット

産業用高精度3Dプリンターについて|産業用3Dプリンターによる金型レスのメリット

射出成形に欠かすことのできない金型。

製造業の試作開発では「簡易金型」とよばれる試作用の金型が使われますが、金型の代わりに産業用3Dプリンターによる試作モデルを出力することで、以下のようなメリットがあります。

金型不要で開発コストを削減

産業用高精度3Dプリンターについて|金型不要で開発コストを削減

産業用3Dプリンターによる試作モデルの出力で、コストのかさむ金型が不要になり大幅コストダウン。
(特に電子部品などの精密部品で使われるマイクロ射出成形には、高いコストがかかります)

設計変更による金型の修正もなくなり、試作開発をより積極的に進めることができます。

精密部品の3Dプリントを実現するには?
産業用高精度3Dプリンターについて|精密部品の3Dプリントを実現するには?
BMFの超精密3Dプリンターは、2~10ミクロンの造形精度を実現。
これまでの光造形ではできなかった、製造業での試作開発にも十分応える精度を発揮します。

金型不要で開発期間を短縮

産業用高精度3Dプリンターについて|金型不要で開発期間を短縮

産業用3Dプリンターによる試作モデルの出力で、試作にかかる開発期間を大幅に短縮。
精密加工で約3~4カ月かかっていた金型製作が、3Dプリントによってリードタイムわずか一日にまで短縮した例もあります。

スピーディーな試作開発で、新製品をいちはやく市場投入することができます。

金型費用の回収に必要な生産量は?

産業用高精度3Dプリンターについて|金型費用の回収に必要な生産量は?

一般的に試作で使われる射出成形用の金型にかかる費用は数百万円。
さらに精密部品となると、金型の精密加工で10倍近くの費用がかかる場合があります。

これらの初期費用を回収するには、一般的な部品で数万ショットもの生産量が必要です。

金型不要で少量オンデマンド生産を実現

産業用高精度3Dプリンターについて|金型不要で少量オンデマンド生産を実現

産業用3Dプリンターで、少量オンデマンド生産が実現。

大量生産には向きませんが、研究機関向けの実験モデルや先端企業向けの試作部品など、低いコストで少量の受注生産が可能です。

産業用3Dプリンターによる「フロントローディング」の効果

産業用高精度3Dプリンターについて|産業用3Dプリンターによる「フロントローディング」の効果

開発プロセスの初期工程にリソースやコストを集中させ、全体のコストを削減する手法を「フロントローディング」とよびます。
フロントローディングでは設計段階で製品の課題を洗い出し、量産金型の修正などのリスクを大きく減らすことでコストダウンにつなげます。

産業用3Dプリンターを導入することで、この「フロントローディング」を効率的に実践することができるのです。

産業用3Dプリンターの優位性

産業用高精度3Dプリンターについて|産業用3Dプリンターの優位性

産業用3Dプリンターでは、これまで切削加工や金型ではむずかしかった複雑形状の出力が可能。
「3D微細構造」や「密集小孔構造」など、高価な金型が必要な形状もかんたんに出力することができます。

切削ではできない形状を造形できる

産業用高精度3Dプリンターについて|切削ではできない形状を造形できる

切削加工では、エンドミルなど工具の制約によって加工ができない部分が出る場合があります。
内視鏡ハウジングなどの凹凸が組み合わせによる複雑な3D構造も、産業用3Dプリンタによって造形できます。

複雑な金型が必要な形状を造形できる

産業用高精度3Dプリンターについて|複雑な金型が必要な形状を造形できる

2方向抜き金型やスライド金型などが必要な複雑な3D構造も、産業用3Dプリンタによってかんたんに造形できます。

BMFの超精密3Dプリンターについて

産業用高精度3Dプリンターについて|BMFの超精密3Dプリンターについて

BMFは独自の光造形で世界をリードする、超精密3Dプリンターメーカーです。

超高解像度のマイクロスケール3D造形を得意としており、マサチューセッツ工科大学が刊行するMIT Technology Review 誌(1899年創刊)にて『世界の10大画期的技術』としても認められています。

超精密3Dプリンター〈microArch®〉

産業用高精度3Dプリンターについて|microArch®

microArch® は、ミクロンオーダーの3D造形を可能にするBMFの3Dプリンター。

従来の光造形(DLP)10倍精度を発揮するPμSL技術※により、これまで切削加工やレーザー加工でしかできなかった精密加工をも可能にします。

低コスト・高効率・シンプルな操作性で、豊富な材料が使用できます。

〈製品スペック〉
形式 microArch® S130 microArch® S140 microArch® P150
XY光学解像度 2μm 10μm 25μm
加工交差 ±10μm ±25μm ±50μm
Z積層厚 5~20μm 10~40μm 10~50μm
造形可能範囲(XYZ) 38.4×21.6×10.0 (mm) 94.0×52.0×45.0 (mm) 48.0×27.0×50.0 (mm)
〈製品スペック〉
形式 microArch® S130 microArch® S140 microArch® P150
XY光学解像度 2μm 10μm 25μm
加工交差 ±10μm ±25μm ±50μm
Z積層厚 5~20μm 10~40μm 10~50μm
造形可能範囲(XYZ) 38.4×21.6×10.0 (mm) 94.0×52.0×45.0 (mm) 48.0×27.0×50.0 (mm)
代表的な機種をピックアップして掲載しています
ラインナップの詳細についてはBMF社までお問い合わせください
※PμSL技術について
産業用高精度3Dプリンターについて|精密部品の3Dプリントを実現するには?
PμSL(Projection Micro-Stereolithography)』とよばれる独自技術
PμSLでは、紫外線(UV)を照射し樹脂の層全体をすばやく光重合。
連続露光に対応しており、従来の光造形(DLP)にくらべ「解像度・造形サイズ・スピード」のバランスにすぐれているのが特徴です。

金型レスの3Dプリントで試作を加速 まとめ

この記事ではミクロンオーダーの光造形で業界をリードするBMFに、金型レスの3Dプリントのメリットと同社の超精密3Dプリンターについてお聞きしました。

3Dプリンター業界では、光造形技術の進化により、これまで造形が難しかったミクロンオーダーの精密部品の試作ニーズにも対応ができるようになっています。

ミクロンオーダーの高精度・高解像度3Dプリントにご興味がある方は、BMFまでお気軽にお問い合わせください。

 

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超精密3Dプリンターの実機見学やサンプルモデルについて、お気軽にお問い合わせください。

東京オフィスでは、解像度10μm/公差±25μmの造形精度を実現する「超精密3Dプリンター〈microArch® S140〉」を設置して、みなさまのお越しをお待ちしております。

\実機見学やサンプルデモはお気軽に!/

お問い合わせはこちら(公式サイト)

BMF Japan株式会社について

会社名 BMF Japan株式会社
所在地 〒103-0022 東京都中央区日本橋室町4-4-3 喜助日本橋ビル5F Nano Park
設立 2019年10月01日
事業内容 3Dプリンターの製造、販売
3Dプリンターによる造形モデルの製作(試作)、販売
公式サイト https://www.bmf3d.co.jp

付加加工 超精密3Dプリンター

この記事の監修者

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