
門形マシニングセンタとは?門形マシニングセンタの特徴と種類
- 更新日:
- 2025/02/07 (公開日: 2020/11/25 ) 著者: 甲斐 智
門形マシニングセンタは、NC工作機械「マシニングセンタ」のひとつ。
(英語:CNC Double Column Machining Center)
大型の機械が多く、 主軸を支える構造が「門」のカタチ になっているのが特徴です。
船舶や航空機部品など、通常のマシニングセンタのテーブルには乗らない「数メートル超」の大物ワークを、段取り(ワークの付け替え)なしで効率よく加工することができます。

門形マシニングセンタの構造と仕組み
門形マシニングセンタは、コラム(門)の前方に主軸を配置した門形構造です。

コラムやテーブルの動き方によって、さまざまなタイプがあります。
引用元:工具の通販モノタロウ 門形マシニングセンタ
クロスレール固定式 | 主軸が上下左右(Z/Y)に動き、テーブルが前後(X)に移動 |
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クロスレール移動式 | 従来の動きに加え、主軸を支える「レール」が上下(W)に移動 |
ガントリー式 | 従来の動きに加え、主軸を支える「門」自体が前後(X)に移動 |
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門形マシニングセンタの特徴

立形・横形と比較した、メリット・デメリットを紹介します。
それぞれに得意・不得意があるため、生産品目による使い分けが重要です。
門形マシニングセンタのメリット(立形・横形との比較)
門形マシニングセンタのデメリット(立形・横形との比較)
門形マシニングセンタと五面加工機(5面加工機)

門形マシニングセンタは、主軸の「アタッチメント」や「ヘッド」を着脱することで、さまざまな加工に対応することができます。
引用元:オークマ株式会社|5面加工門形マシニングセンタ

特に旋回式のユニバーサルヘッドを搭載した機械は「五面加工機(5面加工機)」ともよばれ、複雑な大型の金型加工で活躍しています。

アタッチメントの例
アタッチメントは、AAC(Auto Attachment Changer)とよばれる「自動アタッチメント交換装置」を介して自動交換されます。
スナウト | 一般加工用 |
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30°ヘッド | 金型加工用 |
90°アングルヘッド | 側面加工用 |
ユニバーサルヘッド | 曲面加工用 |
5面加工ヘッド | 5面加工用 |
門形マシニングセンタの種類

門形マシニングセンタは大物ワークの重切削が多いため、主軸50番(#50)の機種がメインになります。
高い剛性で、鋳物などの構造部品の重切削も難なくこなすことができます。
(主軸40番の高速・軽切削ラインアップなどもあります)
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門形マシニングセンタの代表的なメーカー

門形マシニングセンタは大型機械のため、国内でも製造している工作機械メーカーが限られています。
半導体製造装置の大型化や、EV(電気自動車)車体の金型のニーズ増加にともない、より速く・高い精度が発揮できる機種の開発が進んでいます。
メーカー | 門形マシニングセンタの種類 |
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オークマ(株) | 5面加工門形マシニングセンタ |
芝浦機械(株) | 門形マシニングセンタ |
新日本工機(株) | 門形高速形状加工機 |
ニデックマシンツール(株) | 門形五面加工機 |
◎あいう順・敬称略
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