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立形マシニングセンタとは|汎用性の高い立形マシニングセンタと、代表的メーカーを解説

立形マシニングセンタとは|汎用性の高い立形マシニングセンタと、代表的メーカーを解説

更新日時:
2021/06/17(2020/11/25 公開) 編集者:甲斐 智
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切削 | 工作機械 | 除去加工 |
       

立形マシニングセンタは、「マシニングセンタ」の種類のひとつ。
(英語:CNC Vertical Machining Center)

立てフライス盤から進化した機械で、フライス穴あけ・仕上げなど、さまざまな切削プロセスを1台でオールラウンドに行うことができます。

なかでも「立形マシニングセンタ」は、汎用性が高く使い勝手がよいため、あらゆる産業で広く利用されています。

立形マシニングセンタとは|コメント
立形マシニングセンタは、工作機械のなかでも最も使われている機械です!

立形マシニングセンタの構造と仕組み

立形マシニングセンタは、主軸(刃物の回転軸)を垂直にした立形構造です。
ツールを縦向きに取り付け、加工ワークの上面から切削します。

立形マシニングセンタとは|立形マシニングセンタの構造と仕組み

加工テーブル(作業スペース)が広く使えるため、上面加工が多い金型加工や多品種小ロットの生産に向いています。

立形マシニングセンタとは|立形マシニングセンタの構造と仕組み

立形マシニングセンタは、X・Y・Z軸の3軸加工が基本です。
テーブルが動く「テーブル駆動式」と、主軸が動く「主軸駆動式」に分けられます。

テーブル駆動式 主軸が上下(Z)に動き、テーブルが前後左右(X/Y)に移動
主軸駆動式 主軸が上下左右(X/Z)に動き、テーブルが前後(Y)に移動
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立形マシニングセンタの特徴

立形マシニングセンタとは|立形マシニングセンタの特徴

横形マシニングセンタと比較した、メリット・デメリットを紹介します。
得意・不得意があるため、生産品目による使い分けが重要です。

立形マシニングセンタとは|立形マシニングセンタの特徴
引用元:立形マシニングセンタ|群馬県立産業技術センター

立形マシニングセンタのメリット(横形との比較)

「図面」と「ワーク」の向きがおなじため、加工内容が直感的にわかりやすい
主軸が上部にあるため省スペースで、加工エリアが広い
構造がシンプルで、横形とくらべコストが低い
切削油(クーラント)が加工面に届きやすい

立形マシニングセンタのデメリット(横形との比較)

× 切粉がたまりやすく、加工不良の原因となりやすい
× APC(パレットチェンジャー)を使った自動化がしにくい

立形マシニングセンタの種類

立形マシニングセンタとは|立形マシニングセンタの種類

立形マシニングセンタには、生産内容にあわせた豊富なラインナップがありますが、主軸の規格サイズに合わせて大きく3種類に分けられます。

立形 – 主軸30番(#30)

立形マシニングセンタとは|立形 - 主軸30番(#30)

30番の主軸を搭載した、小型の立形マシニングセンタです。
高速加工に適していますが、シャンクの保持力が低く重切削には向いていません。

タレット式のATC(旋回式の工具交換装置)を搭載した、小型マシニングセンタなどの機種もあります。

立形 – 主軸40番(#40)

立形マシニングセンタとは|立形 - 主軸40番(#40)

40番の主軸を搭載した、中型の立形マシニングセンタです。
金型加工や自動車部品の加工で多く使われています。

シャンクの保持力と重量のバランスがよいため、汎用性に優れています。

立形 – 主軸50番(#50)

立形マシニングセンタとは|立形 - 主軸50番(#50)

50番の主軸を搭載した、大型の立形マシニングセンタです。
鉄系金属や鋳鉄など、大型ワークの重切削で多く使われています。

シャンクの保持力が高く、重切削に適しています。

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立形マシニングセンタの用途

立形マシニングセンタは広い産業で使われていますが、5GやEVの普及にともない、あらためて「自動車」「半導体」での活躍が期待されています。

自動車での用途

立形マシニングセンタとは|自動車での用途

EV(電気自動車)の進化にともない、EV用バッテリー金型加工や、軽量化アルミ部品の切削加工の需要が増加。
また車体の軽量化で使われる「CFRP(炭素繊維強化プラスチック)」の成形には、大型の金型加工がかかせません。

半導体での用途

立形マシニングセンタとは|半導体での用途

5G(第5世代移動通信システム)やIoTの拡大によって、半導体・センサ・カメラなど「電子部品」の市場が拡大。
半導体製造装置の高度化にともない、精密部品加工や電子部品用の金型加工の需要が増加しています。

立形マシニングセンタの代表的なメーカー

立形マシニングセンタとは|立形マシニングセンタの代表的なメーカー

さまざまな工作機械メーカーが、立形マシニングセンタを製造。
切粉クーラントが飛び散る悪環境下でも、より速く・より高い精度が発揮できる機種の開発が進んでいます。

また自動化に対応した拡張性や、AI・IoTに対応したネットワーク機能など、さまざまに進化しています。

〈立形マシニングセンタの関連メーカー〉

エンシュウ(株) 立形マシニングセンタ など
オークマ(株) 立形マシニングセンタ など
OKK(株) 立形マシニングセンタ など
(株)紀和マシナリー 3軸コラムトラバースマシニングセンタ など
(株)ジェイテクト 立形マシニングセンタ など
(株)ツガミ 立形マシニングセンタ など
DMG森精機(株) 大型マシニングセンタ など
東洋精機工業(株) コラム移動型立形マシニングセンタ など
ハース(Haas)- アメリカ 立形マシニングセンタ など
ホーコス(株) べッドレスマシニングセンタ など
(株)牧野フライス製作所 立形マシニングセンタ など
(株)松浦機械製作所 立形マシニングセンタ など
三井精機工業(株) 3軸立形マシニングセンタ など
安田工業(株) 立形3軸マイクロセンタ など
(株)山崎技研 NCフライス/マシニングセンタ など
ヤマザキマザック(株) 立形マシニングセンタ など
◎五十音順・敬称略
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この記事の編集者・プロフィール

甲斐 智(KAI Satoshi)
甲斐 智(KAI Satoshi)

1979年 神戸生まれ
多摩美術大学修了後、工作機械周辺機器メーカーの販売促進部門
15年以上に渡り、工作機械業界・FA業界のWebマーケティングに携わる
メーカーとして、技術専門誌(機械技術/機械と工具/ツールエンジニア)へ寄稿

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