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プレスブレーキとは|プレスブレーキの仕組みと種類をかんたん解説

プレスブレーキとは|プレスブレーキの仕組みと種類をかんたん解説

公開日:
2020/07/07(2020/10/08 更新)by 甲斐 智
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プレスブレーキは、「曲げ加工」で使われる機械のひとつです。
圧力をかけて金属の板を曲げるため、プレス機械に分類されます。

板材には「タレパン」で打ち抜いたブランクや、「圧延」で伸ばされた圧延材が使われ、鋼板をはじめ板厚0.5~5mmほどのアルミやステンレスを曲げていきます。

曲げ加工による製品は、電子機器の筐体をはじめ、家電やスチール家具など、身近な製品にも使われています。

この記事では、自社の工場だけでは知ることのできない「プレスブレーキ」の工程や、現場で使われるベンディングマシンの種類を、図解とともに解説します。

プレスブレーキ(ベンディングマシン)ってどんな機械?

金属加工とプレスブレーキについて|プレスブレーキ(ベンディングマシン)ってどんな機械?

プレスブレーキは、「曲げ加工」に使われるプレス機械です。
ベンディングマシンを代表する機械で、「曲げ機」ともよばれます。

先端の尖った「パンチ」を板材に押し込み、曲げていきます。

受け側にはV溝加工された「ダイ」があり、ダイのカタチにあわせて角度がつき、NCによって加圧量や曲げ順序をコントロールします。

金属加工とプレスブレーキについて|プレスブレーキ(ベンディングマシン)ってどんな機械?

プレスブレーキを使った曲げには、「V溝金型」による直角曲げだけではなく、「丸型パンチ」を使ったR曲げなど、さまざまな曲げ方があります。

プレスブレーキの由来は?
プレスブレーキの名前は、NCがなかった時代に「ブレーキ」を巧みに使いながら曲げの調整をしていたことに由来します。
(※諸説あります)

プレスブレーキの工程

1.加工前

金属加工とプレスブレーキについて|プレスブレーキの仕組み

上型「パンチ」と下型「ダイ」の間に板材をセットし、稼働。

金属加工とプレスブレーキについて|プレスブレーキの仕組み

板材はバックゲージ(突きあて)まで押し込み、位置決めをします。

金型の着脱にはワンタッチ式や、QDC(自動金型交換システム)があります。
QDCを使うことで、金型段取りの短縮と長時間の自動運転が可能です。

2.加工中

金属加工とプレスブレーキについて|プレスブレーキの仕組み

パンチを板材に押し込み、曲げ加工をします。

金属加工とプレスブレーキについて|プレスブレーキの仕組み

板材を固定しないため、成形品の跳ね上げや、落下、腰折れ(ダイ接触による変形)に注意が必要です。

金属加工とプレスブレーキについて|プレスブレーキの仕組み

板のソリ(スプリングバック)を抑えるため、「2段曲げ」や「ストライキング」など、さまざまな対策が取られます。

金属加工とプレスブレーキについて|プレスブレーキの仕組み

プレスブレーキは、長い作業スペースを利用して同時加工をすることができます。
角度がことなる複数の金型を取りつけ、同時に加工を行うことで、生産性が上がります。

プレスブレーキの駆動方式

金属加工とプレスブレーキについて|プレスブレーキの駆動方式
写真は、C形のサーボモータプレスブレーキ

プレスブレーキは駆動方式によって4種類に分けられ、フレーム形状は「C形」と「ストレートサイド形」に分類されます。

それぞれ、ラムとよばれる「駆動機構」をスライドさせ、パンチを押し込みます。

プレスブレーキ:
長短尺板材の直線折り曲げを行う機械です。C形フレーム構造で油圧式が主流ですが、サーボ駆動式や機械式もあります。
引用元: 日本鍛圧工業会「鍛圧機械とは?-板金機械」

また5×20尺(約1.5m×6m)の定尺材が加工できる、幅7mの大型機種もあります。
幅の広い板材の曲げには、金型や圧力の調整など作業者の熟練が必要です。

油圧式プレスブレーキ

金属加工とプレスブレーキについて|油圧式プレスブレーキ

油圧シリンダーで「ラム」を駆動させるプレスブレーキです。
油圧をコントロールすることで、圧力や加工スピードをコントロールすることができます。

加圧能力が高く、もっとも使われているプレスブレーキです。

サーボモータ式プレスブレーキ

金属加工とプレスブレーキについて|サーボモータ式プレスブレーキ

サーボモータで「ラム」を駆動させるプレスブレーキです。
環境に配慮した、作動油を使わないパンチプレスです。

サーボモータでラムを駆動するため、圧力や加工スピードの精密なコントロールができますが、加圧力は低くなります。

ハイブリッド式プレスブレーキ(油圧サーボ)

「油圧式」と「サーボモータ式」を組み合わせたプレスブレーキです。

サーボモータで油圧ポンプを制御し、「ラム」を駆動。
加工スピードを精密にコントロールしながら、油圧による加圧力を発揮することができます。

作動油や発熱も少なく、環境性能に優れます。

機械式プレスブレーキ

モーターの回転運動で「ラム」を駆動させるプレスブレーキです。
圧力の調整やスピードのコントロールがむずかしく、現在ではあまり見かけません。

加工スピードがはやいため、ちいさな部品の曲げ加工に適します。

プレスブレーキの位置決め装置「バックゲージ」

金属加工とプレスブレーキについて|プレスブレーキの位置決め装置「バックゲージ」

精度の高い曲げ加工には、板材の位置決めがかかせません。
プレスブレーキでは「バックゲージ」とよばれる突きあてを使い、板の位置を決めます。

近年ではNC化されたバックゲージが多く、曲げの順序に合わせて工程ごとに自動で位置が変動します。

プレスブレーキのなかま

曲げ加工を行うプレス機には、プレスブレーキ以外にもさまざまな専用機があります。

パネルベンダー(L曲げ機械)

金属加工とプレスブレーキについて|パネルベンダー(L曲げ機械)

L曲げ」に使われる、ベンディングマシンです。
専用機のため生産性が高く、量産や自動化ラインに適しています。

金属加工とプレスブレーキについて|パネルベンダー(L曲げ機械)

ヘミング曲げカーリング加工にも対応します。

ロールベンダー(ベンディングロール)

金属加工とプレスブレーキについて|ロールベンダー(ベンディングロール)

ロール曲げ」に使われる、ベンディングマシンです。
3本の回転ロールを使いながら板材を送り、パイプなどの円筒状に曲げていきます。
ロールの位置で、円弧のおおきさを調整することができます。

より専用性の高い2本ロール式や、大型の4本ロール式もあります。

ロールフォーミングマシン

金属加工とプレスブレーキについて|ロールフォーミングマシン

ロール成形」に使われる、ベンディングマシンです。
板材を連続的に送りながら、複数の回転ロールで曲げていきます。

CNCパイプベンダー

金属加工とプレスブレーキについて|CNCパイプベンダー

パイプの曲げ加工に使われる、ベンディングマシンです。
丸パイプ・角パイプや「押出し材」を、三次元で立体的に曲げながら連続加工します。

リングフォーマー

金属加工とプレスブレーキについて|リングフォーマー

条鋼」などのバー材を、曲線状に曲げるベンディングマシンです。
成形した製品は、建築資材や土木資材などに広く使われます。

フォールディングマシン

押さえ巻き曲げ」に使われる、ベンディングマシンです。
材料の縁を押さえながら、パンチを跳ね上げて曲げます。

箱物の成形に適しています。

プレスブレーキとは?まとめ

この記事では、「プレスブレーキ」の工程や、現場で使われるベンディングマシンの種類を解説しました。

プレスブレーキは、産業用ロボットによる加工ワークの着脱や加工データのIoT化によって自動化が急激に進んでいます。

プレスブレーキの仕組みを知ることで、プレス機械の選定の参考になればうれしいです。

この記事(プレスブレーキ)の編集者

甲 斐 智(KAI Satoshi)

甲 斐 智(KAI Satoshi)

1979年 神戸生まれ
多摩美術大学修了後、工作機械周辺機器メーカーの販売促進部門
14年以上に渡り、工作機械業界・FA業界のWebマーケティングに携わる

・株式会社モノト 代表
・株式会社アプト Webディレクター
・一般社団法人日本機械学会 特別員
・東京商工会議所

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