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〈JIMTOF2022〉生産性向上を実現する測定器・センサ特集|vol.2

〈JIMTOF2022〉生産性向上を実現する測定器・センサ特集|vol.2

更新日:
2024/07/20 (公開日: 2022/11/10 ) 著者: 甲斐 智
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多様化する工作機械。工作機械のコアとなる機械技術は「切削」「研削」「研磨」といった加工技術だけでなく、切削工具やツーリング・切削油・CAD/CAM・センサなどからなる総合技術です。
この記事では、2022年11月8~13日まで6日間に渡り開催されたJIMTOF2022[第31回日本国際工作機械見本市]の会場レポートを、5つのテーマに分けてお届けします。

Vol.2ではJIMTOFの会場で取材した、生産性向上を実現する測定器・センサをご紹介します。

〈JIMTOF2022 レポート一覧〉

高精度化する工作機械と測定器・センサ

JIMTOF2022レポートについて|高精度化する工作機械と測定器・センサ

ますます高精度化するCNC工作機械。量産加工でもミクロンオーダー(1/1000mm)の精度が求められるなか、欠かせないのが測定器・センサなどのセンシング技術です。工作機械の進化は、これら測定器・センサの進化とともにあるといっても過言ではありません。

工作機械における測定・センシングの対象は、加工ワークに限らず、刃先(工具長)の摩耗検出や位置決め、主軸の熱変異などさまざまです。
近年では、測定データを活用した「スマートものづくり」と連動させ、工場の見える化やさらなる高精度化・不良品削減につなげる動きが加速しています。

スマートファクトリー:
スマートファクトリーとは、生産過程全般に情報通信技術(ICT)を適用し、リアルタイムで工程の最適化を図る知能型生産工場を指し、第4次産業革命をけん引する重要なキーワードとして製造業界の関心が高まっている。
引用元:ジェトロ|知的財産ニュース
JIMTOF2022レポートについて|JIMTOFでは生産性向上をテーマに、多くのセンサメーカーが新製品を発表しています
JIMTOFでは生産性向上をテーマに、多くのセンサメーカーが新製品を発表しています。JIMTOFにて取材をした生産性向上に役立つ最新の測定器・センサをご紹介します。
JIMTOFとは?
JIMTOF2022レポートについて|JIMTOFとは?

JIMTOF(ジムトフ)は、2年に一度開催される、工作機の国際展示会です。世界四大工作機械見本市に数えられ、最新の工作機械技術が世界中から集結。第31回を迎える2022年は、過去最高の1000社以上もの企業が出展し、6日間の総来場者数は 114,158名 にのぼりました。
→JIMTOFについて詳しく解説

生産性向上に役立つ測定器・センサ

工作機械に求められるセンシング技術は、精度だけではありません。測定器・センサの分野では、熟練作業が減少するなか、いかに自動化・省人化を実現するかが課題となっています。
そのため、自動化に特化した機内計測の提案製品や、デジタルを活用したセンサのソリューションに注目が集まっています。

タッチプローブ

JIMTOF2022レポートについて|タッチプローブ

株式会社メトロールでは、工作機械の機内計測に最適な高精度タッチプローブ「RC-K3Xシリーズ」を展示。ワーク測定による生産性向上を提案する。
これまで熟練が要求されるワークの芯出しや検査は、作業者が行うことが多く、生産性低下の要因となっていた。今回のタッチプローブは、他社製にくらべ低価格を実現。導入しやすい価格帯で、段取り・測定にかかる工数を大幅に削減し、生産性向上を狙う。
信頼性の高い独自の無線通信技術で、広い複合加工機の機内でも、安定した通信が可能だという。

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株式会社メトロール
出展ブースE7121

三次元測定機

JIMTOF2022レポートについて|三次元測定機

株式会社ミツトヨでは、「ミツトヨを知る」「手書きから脱却」「測定の効率化」「止まらない工場」をコンセプトに、製造現場の計測ソリューションを展示。なかでも目を引いたのが、三次元測定機と協働ロボットとのパッケージ提案だ。
三次元測定機のユーザーが広がるなか、厳しい精度要求で全数検査が増えている。今回の提案では、三次元測定機に協働ロボットを組み合わせ、自動化による生産性向上を実現。これまでハードルの高かったロボット導入をミツトヨがトータルで提案し、現場の人手不足の課題に応える。
構成はユーザーのワークに応じてカスタマイズし、ワークストッカーをQRコードを読み込むことで、多品種少量にも対応が可能だ。

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株式会社ミツトヨ
出展ブースE7109

ゲージングソリューション

JIMTOF2022レポートについて|ゲージングソリューション

レニショー株式会社では、Process Control delivering Automation(自動化のためのプロセス制御)をコンセプトに展示。工具長測定、ワークの芯出し・機内計測から、検査までの一連の計測ソリューションを提案する。
工作機械の機内計測では、サイクルタイムが長くなるのを防ぐため、すべてのポイントを計測しない。タッチプローブによる簡易計測の後、機外のゲージングシステムで精密な計測を行い、その結果をネットワーク経由で工作機械にフィードバックする。その間、機械は次のワークを加工しているため、高い生産性が実現する。
EVモータのカバーケース、電動ステアリングの部品加工だけでなく、半導体部品加工向けのニーズが増えているという。

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レニショー株式会社
出展ブースE7094

デジタルハイトゲージ

JIMTOF2022レポートについて|デジタルハイトゲージ
デジタルSラインマルチハイト|MHG-60M

新潟精機株式会社では、「三次元測定機と同等の精度を、より早く!より手軽に!」にコンセプトに、デジタルSラインマルチハイト「MHG-60M」を出展。これまでの三次元測定機のボトルネックを解消し、生産性向上を提案する。
従来の三次元測定機による検査工程では、セッティングにかかる時間や順番待ちが発生し、さらに特定の作業者でしか扱えないため、生産性低下の要因となっていた。
同社のMHG-60Mは、1軸のハイトゲージでありながら、ワークの長さ・高さ・内外径など、14項目の測定を1台でカバー。誰でもかんたんに操作ができ、三次元測定機と同等精度でライトユーザーのニーズに応える。

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新潟精機株式会社
出展ブースE7105

プロセスモニタリング

JIMTOF2022レポートについて|プロセスモニタリング

マーポス株式会社では「進化を続けるマーポス」をコンセプトに、工作機械の測定ソリューションを展示。工作機械用モニタリングシステムを提案する。
プロセスモニタリングでは、モータの電流や工具への負荷、クーラントの流量など、さまざまなデータにしきい値を設け、その変動をモニタリング。異常を検知し信号で知らせる。夜間の加工を監視し、不良品の大量生産を防ぐのにも有効だ。
プロセスモニタリングは、工具の長寿命化にも貢献する。例えば、これまで100個の加工で定期交換していた工具を、モニタリングによって工具寿命限界まで使用することが可能になる。刃物の交換回数を減らし、生産性向上を実現する。

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マーポス株式会社
出展ブースE7119

ワイヤレスデジタルゲージ

JIMTOF2022レポートについて|ワイヤレスデジタルゲージ
ワイヤレスデジタルゲージ|µMATE+

株式会社マグネスケールでは、デジタルでありながらアナログ感覚で高精度な測定ができる「µMATE+(ミューメイト・プラス)」を出展。デジタルならではの操作性で、ユーザーのニーズに応える。
同社のµMATE+は、従来のてこ式ダイヤルゲージによる段取りや、加工後の検査をデジタル化。これまで目視で行なっていた数値の読み取りを、2.7インチのタッチパネルに置き換え、使い勝手を向上させた。測定数値は、スマートフォンやPCにワイヤレス表示させることもでき、狭い箇所での測定にも役立つ。
測定データは履歴として残るため、ワークの振れや合否判定の結果を活用し、工場全体の生産性向上につなげることができる。

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株式会社マグネスケール
出展ブースE7018

JIMTOF2022 生産性向上に役立つ測定器・センサまとめ

ここでは、JIMTOF2022にて取材をした生産性向上に役立つ測定器・センサの新製品をご紹介しました。
金属加工業界では人手不足が進むなか、最終工程の検査などのこれまで標準化しにくく熟練作業者に頼っていた作業分野にも、自動化の波が押し寄せています。今後の測定器・センサの進化にも注目です。
(製品の最新情報については、必ず各メーカーの公式サイトよりご確認ください)

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この記事の監修者

甲斐 智(KAI Satoshi)
甲斐 智(KAI Satoshi)

1979年 神戸生まれ
多摩美術大学修了後、工作機械周辺機器メーカーの販売促進部門
15年以上に渡り、工作機械業界・FA業界のWebマーケティングに携わる
文部科学省「学校と地域でつくる学びの未来」参加企業

2020年に「はじめの工作機械」を立ち上げ(はじめの工作機械とは

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