はじめの工作機械 > 工作機械がわかる > ホーニング加工とは|クロスハッチの特徴と「ホーニング盤」をやさしく解説
ホーニング加工とは|クロスハッチの特徴と「ホーニング盤」をやさしく解説

ホーニング加工とは|クロスハッチの特徴と「ホーニング盤」をやさしく解説

公開日:
2020/05/13(2020/09/04 更新)by 甲斐 智
関連キーワード:
| 工作機械 | 研磨 | 除去加工 |

ホーニング加工は、「ホーン」とよばれる回転工具を往復運動させ、加工ワークの内面を精密に研磨する「除去加工」のひとつ。

エンジンシリンダーや、軸受、バルブ部品など、自動車業界をはじめ さまざまな精密部品の内面仕上げ で使われています。

この記事では、ホーニング加工の特徴でもある「クロスハッチ」や、ホーニング盤の種類について解説しています。

ホーニング加工ってどんな加工?

ホーニング加工は、「ホーン」とよばれる回転工具を往復運動させ、加工ワークの内面を精密に研磨する加工方法です。

ホーニング加工:
ホーン仕上げともいう。主として精密仕上げに用いる研削法。
円柱状の回転工具側面に直方体の砥石を数個取り付けたホーンと呼ぶ工具を 用いて穴の内面を精密にみがく。
引用元: 材料用語「ホーニング加工」

ホーンのまわりには、複数のダイヤモンド砥石が取りつけられており、ばねや油圧による内圧で、砥石を加工ワークの内面に押しつけます。

工作機械とホーニング加工について|ホーニング加工ってどんな加工?

1ミクロン以下の高い精度で、公差がきびしい穴や、真円度の高い穴の仕上げが実現。
リーマ加工NC研削盤による内面研削にくらべ精度が高く、 量産部品の最終仕上げに適しています。

ホーニング加工には、「ホーニング盤」が使われます。

工作機械とホーニング加工について|ホーニング加工で使われるホーン
工作機械とホーニング加工について|ホーニング加工の仕組み
(写真左)WVN Diam©CC BY-SA 3.0
この画像は、クリエイティブ・コモンズ(CC)のもと再編集されています

ホーニング加工の特徴「クロスハッチ」とは

工作機械とホーニング加工について|ホーニング加工の特徴「クロスハッチ」とは

ホーニング加工では、研磨後の表面に「クロスハッチ」とよばれる、網目状のとぎ跡が残ります。
クロスハッチは、20~60°で交差しており、その溝に潤滑油がしみ込むため、シリンダーなどの摺動(しゅうどう)部品の加工に最適です。

ホーニング盤の研磨工程

工作機械とホーニング加工について|ホーニング盤の研磨工程
1.荒仕上げ #100~#400の番手の砥石を使い、荒研磨をします。
回転速度を遅くすることで、クロスハッチの交差角度をおおきくします。
2.精密仕上げ #400~#800の番手の砥石を使い、精密仕上げをします。
回転速度を速くすることで、クロスハッチの交差角度をちいさくします。
砥石の「目つぶれ」に注意が必要です。

ホーニング盤について

工作機械とホーニング加工について|ホーニング盤について
縦型ホーニング盤
引用元:Sunnen Products Company

ホーニング盤は、「ホーニング加工」で使われるNC工作機械です。

回転するホーニングの往復運動で、加工ワークの内面を研磨。
大量のクーラント(研削油)をかけながら、低速・低圧力で加工をするため発熱が少なく、精度の高い研磨ができます。

ホーン(工具)は、サイズの調整ができないため、加工ワークの穴径に合わせて、いくつもの種類を用意する必要があります。

英語では、〔CNC Honing Machine〕と表記されます。

ホーニング盤の種類

ホーニング盤には、加工ワークのサイズに合わせて、さまざまなおおきさがあります。
また穴の内面だけでなく、外面や平面専用のホーニング盤もあります。

  • 内面ホーニング盤
  • 外面ホーニング盤
  • 平面ホーニング盤
  • 歯車ホーニング盤
  • 液体ホーニング盤
液体ホーニング盤とは?
液体ホーニング盤は、砥粒(ちいさな粒子)と液体の混合液を、圧縮エアで吹きつける機械です。
複雑な面の表面研磨や、バリとりに使われます。
一般的なホーニング加工とはことなり、サンドブラストに近い加工法です。

ホーニング加工以外の研磨加工

研磨加工には、ホーニング加工以外にもさまざまな種類があります。
砥石や砥粒を使った研磨加工を、いくつかご紹介します。

ラップ加工
ラップ剤をこすり合わせて、ワークの表面を研磨
「ラップ加工」について、かんたん解説
超仕上げ
砥石をちいさく振動させながら、ワークの表面を鏡面研磨
「超仕上げ」について、かんたん解説
テープ研磨
研磨フィルムを押しつけて、ワークの表面を鏡面研磨
「テープ研磨」について、かんたん解説
バレル加工
プレスや切削加工でできたバリを、回転させながら除去
「バレル加工」について、かんたん解説

ホーニング加工とは?まとめ

この記事では、むずかしそうなホーニング加工の特徴を、クロスハッチや研磨工程を通して解説しました。

精密仕上げにかかせない「ホーニング加工」は、内面研磨にとどまらず、外面研磨や平面研磨でも使われはじめています。
ミクロンオーダーの精度を発揮するためには、エンジニアの高い技術力が必要になります。

本記事が、日ごろの機械加工のヒントになればうれしいです。

この記事(ホーニング加工)の編集者

甲 斐 智(KAI Satoshi)

甲 斐 智(KAI Satoshi)

1979年 神戸生まれ
多摩美術大学修了後、工作機械周辺機器メーカーの販売促進部門
14年以上に渡り、工作機械業界・FA業界のWebマーケティングに携わる

・株式会社モノト 代表
・株式会社アプト Webディレクター
・一般社団法人日本機械学会 特別員
・東京商工会議所

ホーニング加工とあわせて読みたい

ホーニング加工の関連キーワード

工作機械 研磨 除去加工