はじめの工作機械 > 工作機械がわかる > ラップ加工とは|ラップ盤と精密「ラッピング」で使われるラップ剤をかんたん解説
ラップ加工とは|ラップ盤と精密「ラッピング」で使われるラップ剤をかんたん解説

ラップ加工とは|ラップ盤と精密「ラッピング」で使われるラップ剤をかんたん解説

公開日:
2020/05/14(2020/09/28 更新)by 甲斐 智
関連キーワード:
| 工作機械 | 研磨 | 除去加工 |

ラップ加工は、「ラップ」とよばれる定盤(水平の台)の上に加工ワークをおき、圧力をかけながらワークをこすり合わせることで、精密に研磨する「除去加工」のひとつ。

ベアリング部品やブロックゲージなどの 精密部品の最終仕上げ や、半導体ウエハーなどの 難加工材の表面処理 に使われています。

この記事では、ラップ加工の特徴からラップ剤の種類、「湿式」と「乾式」のちがいまで、ラップ加工についてはば広く解説しています。

ラップ加工ってどんな加工?

ラップ加工は、「ラップ」とよばれる定盤(水平の台)の上に加工ワークをおき、圧力をかけながらワークをこすり合わせることで、精密に研磨する加工方法です。

鏡面仕上げを目的としておこなう場合は、「ポリッシング」ともよばれます。

半導体製造装置のステッパに使用されるようなボールねじ軸は,最終仕上げ加工としてラップ仕上げが行われる.
引用元: 精密工学会「精密ボールねじ軸の自動ラップ盤の開発」

砥粒を含んだ「ラップ剤」を加えることで、加工ワークの表面をなめらかに研磨。
平面研削にくらべ精度が高く、 0.1ミクロンの表面粗さの鏡面仕上げ ができます。

ラップ加工には、「ラップ盤」が使われます。

ラップ加工で使われる、ラップとラップ剤について

工作機械とラップ加工について|ラップ加工ってどんな加工?

ラップについて

ラップは、加工ワークを置くための円形の定盤(水平の台)です。
おもに鋳鉄(いてつ)が使われますが、ワークの素材にあわせて、銅合金や鉛などのやわらかい金属が使われることもあります。

ラップ剤について

ラップ剤は、砥粒(とりゅう)に、少量の潤滑油をまぜたものです。
砥粒には、用途にあわせてさまざまな素材が使われます。

ラップ剤の素材

アルミナ

硬度や耐熱性が安定した砥粒です。
鉄鋼材のワークに使われます。

炭化ケイ素

アルミニウム合金や銅合金な、非鉄金属のワークに使われる砥粒です。

ダイヤモンドスラリー

人造ダイヤモンドを使った砥粒です。
超硬合金やセラミックスなどのワークに使われます。

「湿式ラッピング」と「乾式ラッピング」

工作機械とラップ加工について|「湿式ラッピング」と「乾式ラッピング」

ラップ加工は、仕上げの目的によって、「湿式」と「乾式」に分けられます。
ラップ剤にまぜる工作液の量によって、仕上がりが変わります。

湿式ラッピング

ラップ剤に工作液(石油や機械油など)を加え、低圧でラップ加工。
砥粒が転がることで、ワークが削られます。

加工量がおおきいため、粗仕上げや中間仕上げの工程で使われ、表面はナシ地の無光沢に仕上がります。

乾式ラッピング

アルミニウム合金や銅合金など、非鉄金属のワークに使われる砥粒です。
ラップの微小な凹凸にラップ剤をすり込み、高圧でラップ加工。
砥粒の上をワークが滑ることで、削られます。

加工量が少ないため、精密仕上げ工程で使われ、表面は光沢のある鏡面に仕上がります。

ラップ盤の種類

工作機械とラップ加工について|ラップ盤の種類
卓上型 片面ラップ盤

ラップ盤は、「ラップ加工」で使われるNC工作機械です。

ラップと加工ワークをそれぞれ回転させ、圧力をかけながらこすり合わせることで、表面を滑らかに研磨します。
ラップにV溝をつくることで、球状のワークのラップ加工もできます。

英語では、〔CNC Lapping Machine〕と表記されます。

ラップの数によって、「片面」「両面」タイプがあります。
両面ラップ盤は作業効率が高く、量産に最適です。

片面ラップ盤

ひとつのラップを使い、片面のみをラップ加工します
リングのなかに加工ワークを入れ、ウェイトで荷重をかけます

両面ラップ盤

2台のラップを使い、両面をラップ加工します
キャリアのなかに加工ワークを入れて、上下をラップで挟みます

ラップ加工以外の研磨加工

工作機械とラップ加工について|ラップ加工以外の研磨加工?

研磨加工には、ラップ加工以外にも、さまざまな種類があります。
砥石や砥粒を使った研磨加工を紹介します。

ホーニング加工
回転工具を往復運動させ、加工ワークの内面を研磨
「ホーニング加工」について、かんたん解説
超仕上げ
回砥石をちいさく振動させながら、加工ワークの表面を鏡面研磨
「超仕上げ」について、かんたん解説
テープ研磨
研磨フィルムを押しつけて、ワークの表面を鏡面研磨
「テープ研磨」について、かんたん解説
バレル加工
プレスや切削加工でできたバリを、回転させながら除去
「バレル加工」について、かんたん解説

ラップ加工とは?まとめ

この記事では、ラップ加工の特徴からラップ剤の種類、「湿式」と「乾式」のちがいを解説しました。

ラップ加工は、宝石を磨く加工方法として古くから活用されており、精密加工にかかせない基礎技術として知られています。

本記事が、日ごろの機械加工のヒントになればうれしいです。

この記事(ラップ加工)の編集者

甲 斐 智(KAI Satoshi)

甲 斐 智(KAI Satoshi)

1979年 神戸生まれ
多摩美術大学修了後、工作機械周辺機器メーカーの販売促進部門
14年以上に渡り、工作機械業界・FA業界のWebマーケティングに携わる

・株式会社モノト 代表
・株式会社アプト Webディレクター
・一般社団法人日本機械学会 特別員
・東京商工会議所

ラップ加工とあわせて読みたい

ラップ加工の関連キーワード

工作機械 研磨 除去加工