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モータの基本|ステッピングモータとサーボモータの違い
工作機械がわかる 寄稿コラム

モータの基本|ステッピングモータとサーボモータの違い

更新日:
2025/03/19 (公開日: 2025/03/18 ) 著者: りびぃ|監修: 甲斐 智
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こんにちは、りびぃです。FA(ファクトリーオートメーション)業界で、生産設備の設計をしています!

FA業界はその名の通り「あらゆる作業工程を自動化する」ことを目的として生産工程への機械導入をしているのですが、それら機械にとっての要となるモータは絶対に切り離せない存在になっています。
そのためモータの特徴を理解した上で機器選定をし、その上でうまく使いこなせるようになることが、FA業界に足を踏み入れたエンジニアにとっての登竜門の一つであるともいえるでしょう。

サーボモータとステッピングモータについて|モータと一口にいっても実際には非常に多くの種類が存在する

モータと一口にいっても実際には非常に多くの種類が存在するのですが、FA業界では主に2種類のモータがよく使われます。それが「ステッピングモータ」と「サーボモータ」です。
といいますのも、FA業界で使用されるアクチュエータには位置決め制御(目標位置に向かって動作を開始し、目標位置でピタッと止まる)が要求される場面が非常に多いのですが、この両者のモータはその位置決め制御が得意なのです。

サーボモータとステッピングモータについて
しかしこの両者の違いについて調べてみても、どのモータメーカでも同じような特徴がうたわれており理解することに四苦八苦した経験をした方は多いのではないでしょうか?

両者を調べたとて同じような文言が並んでいるため、適切なモータを選定したい設計者にとっては困惑しやすいのです(私も新入社員の頃、この両者の違いを理解するのにだいぶ苦労しました笑)。
そこで今回は、FAエンジニアの人なら一度は疑問に思う「ステッピングモータとサーボモータの違い」について、わかりやすく解説をしていきます。

◎本コラムは、技術系ブロガーりびぃがお送りする連載コラムです

ステッピングモータとは

サーボモータとステッピングモータについて|ステッピングモータとは

ステッピングモータの「ステッピング」とは、モータの位置決め精度を決定する要因の一つになっている「ステップ角」から来ています。
ステッピングモータはコントローラからの電気のON・OFF信号(=パルス信号)に基づいて回転をするモータなのですが、1パルスあたり何度回転するかを表しているのが「ステップ角」となります。
例えばステッピングモータの中でもポピュラーである2相ステッピングモータは「200パルスの信号が送られるとモータが一回転する」という仕組みになっているため、ステップ角は360°÷200=1.8°となります。

サーボモータとステッピングモータについて|この原理を利用し「もし仮にモータを180°回転させたければ、100パルスの信号を送ってあげれば良い」という要領で位置決め制御をしていくことになります。
この原理を利用し「もし仮にモータを180°回転させたければ、100パルスの信号を送ってあげれば良い」という要領で位置決め制御をしていくことになります。

このようにステッピングモータは「ステップ角が一定の角度に決まっているからこそ位置決め制御が可能である」という論理に基づいて「高精度な位置決めが可能である」といわれているのです。
またステッピングモータが回転する速さは、電気信号のON・OFFを繰り返す早さ(=パルス周波数)に依存していることから、速度制御(=目標の速さで回転させる制御)をすることも可能なモータでもあります。

サーボモータとは

サーボモータとステッピングモータについて|サーボモータとは

サーボモータの「サーボ」とはラテン語の「奴隷」が語源となっており「指令通りに忠実に動く」という意味を持ちます。つまり本来のサーボモータとは「指令した通りの位置決めや速度運転等ができる機能を有するモータの総称」のことなのです。

サーボモータとステッピングモータについて|この原理を利用し「もし仮にモータを180°回転させたければ、100パルスの信号を送ってあげれば良い」という要領で位置決め制御をしていくことになります。
この意味では、実はステッピングモータもサーボモータの一種であるといえます。

ただし実際のところ、FA業界では「フィードバック制御(指令通りにモータが動作したかを監視し、ズレがあれば補正する方式)で動く同期モータ」のことを指してサーボモータと呼んでいるケースがほとんどで、ステッピングモータやインダクションモータなどとは区別されています。
本記事で解説するサーボモータも、こちらの意味でのサーボモータを指すこととします。

ステッピングモータとサーボモータの違い

サーボモータとステッピングモータについて|ステッピングモータとサーボモータの違い

〈ステッピングモータとサーボモータの違い〉

制御方式

両者のモータの違いの中で、最も顕著なものがこの制御方式です。

ステッピングモータのオープンループ制御

ステッピングモータの制御方式は基本的に「オープンループ制御」と呼ばれている方式です。
オープンループとは指令信号にのみ基づいてモータの回転角や回転数等が決定される制御方式です。ステッピングモータはステップ角が一定に決まっていますので、その論理に基づいて位置決め制御等が実現できるとされています。
しかし、指令信号どおりに本当にモータが回転したかの保証はなく、特に負荷慣性モーメントが大きいものを回転させようとすると、信号と実際の回転とにズレが生じやすくなります。

サーボモータのフィードバック制御

一方でサーボモータの制御方式は基本的に「フィードバック(クローズドループ)制御」と呼ばれている方式です。
サーボモータのフィードバック制御では、指令信号どおりに本当にモータが回転したかをエンコーダという機器で監視しています。そしてもしズレがあれば、それを修正するように信号を送り、モータを補正させるので、制御の信頼性が比較的高いのです。

サーボモータとステッピングモータについて|正確には「ズレがないと認識するまで補正をする」のですが、目標に対してどの程度近づけば「ズレがない」と認識するかについては、サーボアンプの設定やPLCでのプログラムで設定可能です。
正確には「ズレがないと認識するまで補正をする」のですが、目標に対してどの程度近づけば「ズレがない」と認識するかについては、サーボアンプの設定やPLCでのプログラムで設定可能です。

ただしエンコーダが監視するのはあくまでモータ軸だけです。モータ軸から先に接続されているギアのバックラッシなどはエンコーダによる検知ができませんので、モータの正転・逆転を切り替えて動作させる際には注意が必要です。 どうしてもそこの誤差が許容できないのであれば、負荷に可能な限り近いところに別途エンコーダを取付けて、そのエンコーダからの信号をサーボアンプへ返すようシステム構築をしていきます。

モータのラインナップ

ステッピングモータは小型のラインナップが多い

ステッピングモータは小型のラインナップが多いです。
モータの取付部の寸法は大きくても□数十mm程度であり、定格容量も数百W相当までのものがほとんどです(厳密にはステッピングモータには定格出力の概念がないので「相当」と表現しています)。
最大トルクも、大きくても数N・m (ギヤ無し)程度です。

サーボモータとステッピングモータについて|ステッピングモータには「バイポーラ」と「ユニポーラ」という2種類の駆動方式がありますが、ユニポーラは駆動回路が単純になる一方でモータトルクが半分になってしまう点は注意が必要です。
ステッピングモータには「バイポーラ」と「ユニポーラ」という2種類の駆動方式がありますが、ユニポーラは駆動回路が単純になる一方でモータトルクが半分になってしまう点は注意が必要です。

サーボモータは幅広いラインナップがある

一方でサーボモータには小型から大型まで幅広いラインナップがあります。
大きさは□数十mmのものから□数百mm程度のものまで、定格容量は大きいものですと数百kWレベルのものまであるので、大型の機械のアクチュエータとしても使用することができます(大型になると誘導型のサーボモータが使用されます)。

サーボモータとステッピングモータについて|最大トルクは大きいものですと100N・m以上(ギヤ無し)のラインナップがあり、回転数6000rpm程度の高速領域でもそこそこ大きなトルクを発揮できます。
最大トルクは大きいものですと100N・m以上(ギヤ無し)のラインナップがあり、回転数6000rpm程度の高速領域でもそこそこ大きなトルクを発揮できます。

過負荷に対する挙動

ステッピングモータの場合

ステッピングモータに過負荷がかかると「脱調」という不具合によりモータ制御できなくなります。脱調とは負荷慣性モーメントが大きすぎることで、信号に対するモータの回転がズレる現象の事をいいます。このような不具合を発生させないために、モータ選定時にはトルク特性というグラフを参照し、正常に動作できる条件であるかを確認することが重要です。

サーボモータとステッピングモータについて|加減速が大きすぎることでも脱調が発生するため、その判定基準となる「自起動周波数」を計算しておくことも重要です。
加減速が大きすぎることでも脱調が発生するため、その判定基準となる「自起動周波数」を計算しておくことも重要です。

サーボモータの場合

一方でサーボモータの場合はフィードバック制御であるため、脱調は発生しません。また、短時間の運転であれば、定格トルクの約3倍のモータトルクを発生させることができます。
しかし定格トルク以上の運転を長時間続けるとモータが発熱により損傷を起こします。一般的にはモータが損傷する前にサーボアンプが過負荷を検知し、エラーを発するとともにモータを停止させます。

また負荷慣性モーメントが大きすぎると、フィードバック制御で位置決めをしようとしても慣性の影響で位置精度が大きくズレてしまいます。もちろんズレたものは補正されますが、慣性が大きすぎて補正時にも大きくずれてしまい、フィードバックが完了しない現象が発生します(この現象をハンチングといいます)。

サーボモータとステッピングモータについて|ハンチングを防ぐためには「推奨イナーシャ比」と呼ばれる値以下に収まるよう負荷の設計を見直します。あるいは、加減速時間を長くとるなどサーボアンプの調整をして解決していく必要があります。
ハンチングを防ぐためには「推奨イナーシャ比」と呼ばれる値以下に収まるよう負荷の設計を見直します。あるいは、加減速時間を長くとるなどサーボアンプの調整をして解決していく必要があります。

応答性

ステッピングモータの場合

応答性とは、指令信号が入ってから動作が完了するまでの最短時間のことをいいます。
ステッピングモータの場合にはオープンループ制御であるため比較的応答性が高いという特徴があります。これは「指令信号通りに動作をする」というステップで動作が完結するためです。

サーボモータの場合

一方でサーボモータの場合にはフィードバック制御であるため、オープンループ制御と比べると応答性が低くなります。「指令信号通りに動作をする」というステップのあとで「指令通りに動作が完了したかの確認をし、ズレがあれば補正する」というステップを踏むためです。
特にベルト駆動の機構を採用している場合、急加速急停止で運転をするとベルトの伸縮による負荷変動が落ち着いてからでないと正確な補正が効かない、つまり動作が完了できないこともあるので注意が必要です。

位置決めの原点

位置決め制御をするためには、モータドライバの起動時にモータが原点(位置決めの基準となる位置)からどの位置に回転しているかを把握する必要があります。
といいますのも、A地点からスタートして120°回転したB地点までを往復運動させるようにモータを動作させようにも、A・Bどちらにいるのか、あるいはAとBとの間の中間地点にいるのかをまず把握しないと次にどのように動かせば不具合がないかがわからないからです。
そのためモータドライバ起動時に何らかの方法でモータの現在位置を知る仕組みが必要になります。

ステッピングモータの場合

それを踏まえてステッピングモータには、この原点というものが存在しません。そのため何らかの方法で原点位置を設定し、その上で装置起動時には「原点復帰」という「モータを一度原点まで移動させ、その原点を現在位置0°として覚え込ませる」ようなセットアップが必要になります。

サーボモータの場合

一方でサーボモータの中で「アブソリュートエンコーダ」と呼ばれるタイプについては、モータの電源が落ちても自身の現在位置を覚えているという機能があります。
電源が供給されていなくとも内蔵されているバッテリーからの電力供給によってエンコーダは現在位置を覚えていられるのです。そのため装置起動時に原点復帰のセットアップは必要ありません。

ただし、以下の点には注意が必要です。

  • (1)インクリメンタルエンコーダのタイプですと毎度原点復帰が必要
  • (2)バッテリーからの電力供給がなくなると、アブソリュートエンコーダでも現在位置が分からなくなる
  • (3)モータを装置に取り付けて最初の1回は原点設定が必要

原点位置の設定についてですが、位置決め精度をそこまで求めないのであれば外部にセンサを取付け、そのセンサが検知した位置を原点とする方式でも可能です。しかしより高い位置決め精度が必要とのことであれば基準ブロックを使った方式を採用します。

サーボモータとステッピングモータについて|モータを負荷に取付けた後、切削加工で作った基準用ブロックに負荷を押し当てて、その位置を原点として設定します。この基準ブロックは設計図面にも反映をさせておきます。
モータを負荷に取付けた後、切削加工で作った基準用ブロックに負荷を押し当てて、その位置を原点として設定します。この基準ブロックは設計図面にも反映をさせておきます。

分解能

分解能とは「どれだけ細かい単位で位置決め制御ができるか」を表す指標の事をいいます。

ステッピングモータの場合

ステッピングモータの場合には「相の数」によって分解能の使用が決定されます。代表的な2相のステッピングモータの場合は1.8°ですが、5相にもなると0.72°にまで小さくなります。

サーボモータの場合

一方でサーボモータの場合には、エンコーダの分解能によって位置決め精度が決まります。エンコーダの位置検知部が何bit(2進数の単位)あるかによって異なりますが、例えば26bitであれば、一回転360°を226=67, 108, 864分割する単位で検出可能であることを意味します。

サーボモータとステッピングモータについて|こういった理由でサーボモータは位置決め精度が優れているといわれているのです。
こういった理由でサーボモータは位置決め精度が優れているといわれているのです。

モータの派生商品

電動シリンダ

サーボモータとステッピングモータについて|電動シリンダ

電動シリンダとは、電力を供給することで往復運動させるアクチュエータのことです。電動シリンダの構造は「モータ」と「モータの回転を直動運動に変換する機構」がセットになったものが多いのですが、電動シリンダは基本的に位置決め制御で動作させるものなので、このモータとしてステッピングモータやサーボモータが使用されます。

サーボモータとステッピングモータについて|直動機構は個別に機械部品を組み合わせて設計することでも実現できますが、電動シリンダは一つの型式で直動機構を実装できる点が便利です。
直動機構は個別に機械部品を組み合わせて設計することでも実現できますが、電動シリンダは一つの型式で直動機構を実装できる点が便利です。

DDモータ

サーボモータとステッピングモータについて|DDモータ
DDモータ駆動の円テーブル

DDモータ(ダイレクトドライブモータ)とは、減速機などの動力伝達用の部品を介さずにモータと負荷とを直接接続することが想定されたモータです。一般的なステッピングモータやサーボモータとは違ってモータ本体が大きく、大きな負荷モーメントをモータ自体で受けれるような構造であることが特徴です。
またDDモータは中空構造のラインナップが豊富な傾向があり、回転体に配線や配管を通したい場合にもよく採用されます。そのためインデックステーブル用の駆動モータとして採用されるケースが非常に多いです。

サーボモータとステッピングモータについて|このDDモータの仕組みを見てみると、要するに位置決め制御をする用のアクチュエータであり、その原理は実はステッピングモータまたはサーボモータと基本的に同じだったりします。
このDDモータの仕組みを見てみると、要するに位置決め制御をする用のアクチュエータであり、その原理は実はステッピングモータまたはサーボモータと基本的に同じだったりします。

産業用ロボット

サーボモータとステッピングモータについて|産業用ロボット

汎用機の代表例で、ピックアンドプレイス、塗装、溶接などあらゆる工程で活用されている産業用ロボットですが、この産業用ロボットに使われているモータのほとんどはサーボモータです。
例えば6軸の垂直多関節ロボットでは6個のサーボモータが実装されています。各関節を個別に位置決め制御できることはもちろん、複数の関節をうまく連動させて直線的にアームを伸び縮みさせるような高度な制御も可能です。

サーボモータとステッピングモータについて|産業用ロボット

市販の産業用ロボットにステッピングモータが採用されているケースはほとんどありませんが、小型のロボットアームを自作する場合などに採用されているケースはよく見ます。ちなみに私もステッピングモータを使ったロボットアームの設計を担当した経験があります。
ちなみにFA業界で導入されるケースはそこまで多くありませんが、人型ロボット(ヒューマノイド)にもこれらのモータが使われています。

ステッピングモータとサーボモータの境目は曖昧に…

もともとは先述したように、両者のモータには明確な特徴の違いがありそれによって用途のすみ分けがされていました。しかし実はここ数十年間で両者のモータの境目が曖昧になってきているという傾向があります。
まず「ステッピングモータといえばオープンループ制御」というのがかつての常識であったのですが、実はフィードバック制御ができるステッピングモータも存在しています。
おそらくFA業界では「オープンループ制御による高応答性よりフィードバック制御による位置決め精度」の方が需要が高かったためでしょう。
そしてややこしいのが、フィードバック制御タイプのステッピングモータのドライバの設定等を見てみると、「サーボ」というモードが書かれていたりします(ややこしいですよね…)。

サーボモータとステッピングモータについて|ステッピングモータとサーボモータの境目は曖昧に

続いてステッピングモータはサーボモータに比べて分解能が粗いため、ステップ単位で回転するごとに振動が発生するといわれていました。しかし近年この振動の問題がだいぶ改善されているようです。
相の数を増やすことでも滑らかな回転はできますが、それ以外にもモータ内のコイルの励磁方式を工夫することで、消費電力が上がる代わりに滑らかに動作させることができるような駆動方式が合ったりもします。

さらに昨今では「マイクロステップ」という技術が登場し、ステップ角よりも小さい単位でモータを回転させることもできるようになってきました。
現状マイクロステップは「位置決め制御の分解能を向上させられる」とまでは断言できず、あくまで「加減速を滑らかにする」という文脈で説明されることが多いのですが(実際のステッピングモータのシリーズによって性能が異なる可能性があります)、もしかすると今後、マイクロステップによる位置決め精度が向上するかもしれません。

サーボモータとステッピングモータについて|PLCと連携

その他産業用のCPUとしてよく使われるPLCと連携するためのフィールドネットワークも両者対応していますし、今まで安価だといわれていたステッピングモータも、高機能化に伴い価格が上がってきている印象です。
そして価格についても、かつては「ステッピングモータは簡易的で、粗めの位置決め精度だが低価格」「サーボモータは設定が高度で高精度だが高価格」という印象がありましたが、昨今はこの価格差は埋まりつつあるような印象を受けます。

しかしそもそも論ですが、リピート製作がそこまで多くない生産設備においては、製作費全体から考えるとモータの価格が大きなインパクトを与えるケースはそこまで多くないという特徴があります。むしろエンジニアたちが使い慣れているシリーズのモータを選定することで、余計な工数を省略する方がコストダウンとして効いてきますので「ステッピングモータでも動かせる機構」があったとしても、なんだかんだサーボモータを採用する人の方が多いのではないでしょうか。

サーボモータとステッピングモータについて|ステッピングモータでも動かせる機構

こういったこともあり、実はエンジニアの中には「目の焦点をぼやかして見れば、ステッピングとサーボの違いはオープンループ、フィードバックのどちらで制御しているかだけ。本体はステッピングモータだとしてもフィードバック制御であればサーボと変わらない」という人もいるぐらいになっています(まぁ「本来のサーボモータの意味」で考えると間違ってはないですからね)。

今のところ、ステッピングモータのラインナップは小型中心ですから、高速領域での高トルク駆動はサーボモータの方が得意な傾向があります。ですが、もしかしたら近い将来、両者の特徴がほとんどなくなるぐらいになるかもしれません。

おわりに

ステッピングモータとサーボモータにはそれぞれ特性があり、用途に応じて適切に選定することが求められます。特にFA業界では、求める制御精度や負荷条件によって装置の性能が大きく変わるため、それぞれの特性を理解し、適切に活用することが重要です。

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この記事の執筆者プロフィール

りびぃ
りびぃ

ものづくりのススメ」サイト運営者。
2015年、大手設備メーカーの機械設計職に従事。2020年にベンチャーの設備メーカーで機械設計職に従事するとともに、同年から副業として機械設計のための学習ブログ「ものづくりのススメ」をスタートさせる。2022年から機械設計会社で設計職を担当している。


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この記事の著者・監修者

甲斐 智
甲斐 智(Satoshi Kai)

1979年 神戸生まれ、多摩美術大学修了後、工作機械周辺機器メーカーに入社。
2020年に株式会社モノトを設立。長年に渡り工作機械業界・FA業界のWebマーケティングに携わる。
researchmap ID:R000028669
J-GLOBAL ID 202101006017437323

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