CNC自動旋盤とは?量産に特化したCNC自動旋盤のメリットと種類
- 更新日:
- 2022/08/31 (公開日: 2021/07/07 ) 著者: 甲斐 智
CNC自動旋盤は「NC旋盤」の種類のひとつ。(英語:CNC Automatic Lathe)
NC旋盤を小型化・自動化したもので、加工ワークの着脱や供給を自動で行うことで バー材(長い棒材)の連続加工 を得意とします。作業者によるワークの着脱が不要になるため、自動化に最適です。
この記事では、ベアリング部品や自動車部品など、小さな精密部品の大量生産で使われるCNC自動旋盤について解説します
CNC自動旋盤の特徴
CNC自動旋盤は、主軸の背面からバー材(棒状のワーク)を自動供給し、加工・切り落としのサイクルを繰り返します。
自動旋盤:引用元: 精密工学会「リニアモータ式自動旋盤の開発」
時計部品は大量生産される部品の典型例である.
そのため軸物加工には,カム式自動旋盤が今も使われる.
それは加工精度が高く,加工サイクル時間が短く,大量生産に適しているからである.
主軸が移動する「CNCスイス型旋盤」では、ワークをガイドブッシュで支えるため、φ1mm以下の軸部品などの細長いワークでもたわみなく安定した加工ができます。
NC旋盤(タレット旋盤)と比較した、メリット・デメリットを紹介します。
(ワークサイズや生産形態にあわせた使い分けが重要です)
CNC自動旋盤のメリット(NC旋盤との比較)
CNC自動旋盤のデメリット(NC旋盤との比較)
CNC自動旋盤によるワーク加工例
ワークの供給から、旋削・ねじ切り(雄ねじ)・穴あけ・突っ切り(切り落とし)までの一連のプロセスを自動で行います。
月産数千から数万個もの量産加工に対応することができます。
CNC自動旋盤の種類
CNC自動旋盤ではさまざまな構成を組み合わせることで、さらに自動化を追求することができます。
- 主軸の数(単軸/多軸)
- 刃物の固定方法(タレット型/くし刃型)
- 主軸の移動方法(主軸固定/主軸移動)
CNC単軸自動旋盤/多軸自動旋盤
CNC単軸自動旋盤:ひとつの主軸を搭載したNC自動旋盤
CNC多軸自動旋盤:複数の主軸を搭載したNC自動旋盤
多軸自動旋盤では、4軸・5軸・6軸・8軸・12軸などのタイプがあります。
4軸タイプの場合は、工程を4つに分割(ワーク着脱・旋削・穴あけ・中ぐり)。4つのワークを回転移動させながら、各工程を同時加工します。
刃物を効率よく使えるため、サイクルタイムが速いのが特徴です。
CNCくし刃型旋盤
CNCくし刃旋盤は、刃物を櫛(くし)状にならべたNC自動旋盤です。
ワークを回転させ、くし刃(横一列にならべた刃物)を動かしながら加工。タレット型にくらべコンパクトなため、生産品目にあわせて柔軟にラインを構築できます。
CNCスイス型旋盤(主軸移動型旋盤)
CNCスイス型旋盤は、加工ワークを回転させながら前後に動かすNC自動旋盤です。主軸が移動するため「主軸移動型」ともよばれます。
ワークをガイドブッシュで支えるため、細長いバー材でも安定した加工ができます。
時計部品の精密加工用として、スイスで誕生した機械です。
CNC自動旋盤の代表的なメーカー
CNC自動旋盤メーカーには、時計メーカーの生産部門や時計部品メーカーから派生した工作機械メーカーが数多く存在します。
小型で生産性の高いCNC自動旋盤は、中国のスマートフォンの生産現場でも数多く使われています。
メーカー | CNC自動旋盤の種類 |
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(株)エグロ | 自動化CNC旋盤 |
シチズンマシナリー(株) | 主軸台移動形/主軸台固定形 CNC自動旋盤 |
スター精密(株) | スイス型CNC自動旋盤 |
(株)ツガミ | CNC精密自動旋盤 |
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