
複合加工機の無人化 – 多品種少量に最適なフレックスアーム
- 更新日:
- 2025/02/07 (公開日: 2021/07/30 ) 著者: 甲斐 智
近年、自動車・半導体・電子機器など、さまざまな業界で製品のライフサイクルが短くなるなか、「多品種少量生産」が部品加工のトレンドになっています。
また多品種少量生産にともない、生産体制もライン生産から柔軟な生産方式へシフトしており、自動化ニーズも急増しています。
この記事では “複合加工機のトップランナー”として知られる、中村留精密工業株式会社(石川県白山市)専務取締役の中村匠吾さまに、複合加工機の自動化と新製品『Flex Arm(フレックスアーム)』についてお聞きしました。
1台で多品種少量ワークの無人運転ができる!フレックスアームとは
中村留精密工業株式会社では、業界初・ワークローダーに「チャック爪交換」「クーラント洗浄」機能を追加した自動化装置『Flex Arm(フレックスアーム)』を開発。
同社の複合加工機に搭載することで、機械の稼働を止めることなく多品種少量ワークに対応。
これにより長時間の無人運転が可能となりました。
〈フレックスアーム導入のメリット〉
複合加工機による「多品種少量生産」の課題
――Flex Arm(フレックスアーム)開発の経緯を教えてください

最新の機械でも品種切り替え作業はオペレータが行うことが多く、多品種少量生産の課題のひとつとなっていたのです
――品種切り替えにはどのような課題があるのでしょう?

多品種少量生産では機械の稼働率を上げるため夜間に加工することも多く、それにともない品種切り替え作業も夜勤シフトになりがちに…
しかし夜勤の人材確保は、熟練オペレータの減少や労働環境の観点からもむずかしくなっており、「自動化で解決したい!」と多くの声をいただいていました
“その声に応えるために開発したのが、フレックスアームです”
引用元:「箱兵衛」を活用したフルオートメーション|中村留精密工業株式会社
多段積ストッカー 箱兵衛について
従来の産業用ロボットとの違い

――工作機械の自動化といえば産業用ロボットや協働ロボットも注目されています
これらロボットとの違いはどこですか?
――工作機械の自動化といえば産業用ロボットや協働ロボットも注目されています
これらロボットとの違いはどこですか?

また協働ロボットの場合でも、産業用ロボットのような柵こそありませんが、工作機械の正面に設置するため、オペレータの作業性が落ちることが悩みのタネでした
――装置の省スペース化も、生産性向上には重要なんですね

スペースが限られた工場でもレイアウトに困ることはありません
また普段は機械側方に収納されているため、加工や段取りの妨げにもなりません
Flex Arm(フレックスアーム)の機能


チャック爪・ハンド交換機能 | ワークサイズにあわせて、チャック爪とハンドを自動交換。 交換用の爪・ハンドは専用ストッカーに収納されています。 ※各種メーカーのクイックジョーチェンジャー(QJC)に対応 |
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クーラント洗浄機能 | 爪交換時にクーラントを噴射し、切粉を自動洗浄。 切粉の噛み込みによるワークの加工不良やチョコ停を防止します。 |
ティーチング機能 | 工作機械の操作盤によるコントロールが可能。 SIer(システムインテグレータ)によるティーチング作業が不要で、立ち上げ時間を大幅に短縮することができます。 |
◎機能の詳細・仕様については公式ページよりお問い合わせください
さらなる自動化に向けて
――ユーザーからの反響はいかがでしたか?

受注環境もコロナ前の水準に戻っており、部品加工の自動化ニーズはより一層高まっています。
段取り替えの課題を解決することで、多くのお客さまによろこんで頂ければ幸いです。
〜編集部より〜
今回は中村留精密工業株式会社さまに、新製品『Flex Arm』についてお話を伺いました。
CNC工作機械はほとんどの加工が自動化されていますが、プログラム・段取り・後工程などまだまだオペレーターによるところも大きいのが実情です。
中村留精密工業株式会社では、さらなる自動化に向けて日々開発を進めているとのこと。
次なる新製品開発に期待です!
中村留精密工業株式会社について

会社名 | 中村留精密工業株式会社 |
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本社所在地 | 〒920-2195 石川県白山市熱野町ロ15番地 |
設立 | 1960年12月 |
営業品目 | 超複合加工機、複合精密CNC旋盤、高速精密CNC旋盤、FA周辺装置、レンズ加工機、ガラスディスク加工機、液晶ガラス加工機、光ファイバ研磨機、NC小型研磨機 |
企業情報 | 中村留精密工業の企業情報はこちら |