のこ引きとは?のこ盤種類とバンドソー・コンターマシンを解説
- 更新日:
- 2022/08/31 (公開日: 2020/08/28 ) 著者: 甲斐 智
のこ引き(鋸引き)加工は、棒材などの大きな材料から、加工に必要なサイズの材料を切り出す「除去加工」のひとつ。
のこ引きで切り出されたさまざまな材料は、工作機械の加工ワークとしても使われます。
この記事では、切削加工のはじめの工程として知られる「のこ引き加工」と、加工の現場で使われている「のこ盤」について解説しています。
のこ引き(鋸引き)加工ってどんな加工?
のこ引き(鋸引き)加工は、連続鋳造でつくられた「ビレット」などの大きな材料から、 加工に必要なサイズの材料を切り出す 加工方法です。
のこ引きで切り出された鋼材やアルミなどの材料は、フライスや旋削の加工ワークとして使われます。
のこ引き加工には、主に「のこ盤(鋸盤)」や「バンドソー」「コンターマシン」とよばれる工作機械が使われます。
鋸盤とは:引用元: AMADA MACHINERY CO., LTD. 鋸盤とは「どこで活躍?」
製造業は、まず素材の切り出しから始まります。
また、様々な材料をリサイクルする場合は、炉で溶解する必要から所定の大きさに切断する必要があります。
このように鋸切断は産業のスターティングとエンディングを支えています。
モノづくりの現場へスムーズに鋼材が届けられるよう、鋼材切断の現場ではバンドソーマシンが活躍し、鋼材流通業に携わる方々と鋼材の流通文化を構築してきました。
のこ盤(鋸盤)の種類
のこ盤(鋸盤)は、DIYなどでも使われる「のこぎり」や「糸のこ」「弓のこ」を自動化したもので、ワークを固定し、油圧やクランクによって「のこ」を駆動し、材料を切り出します。
のこ刃の材質には、ハイス(高速度工具鋼)・超硬合金や、切断がむずかしい難削材にはダイヤモンドも使われます。
また「のこ刃」の速度を変えることで、硬いワークにも対応できます。
のこ盤には、切断方法や加工ワークによって、さまざまな機種があります。
弓のこ盤(弓鋸盤)
弓のこ盤は、「のこ刃」の往復運動で材料を切り出す機械です。
すこしづつ材料に切り込み、ワークを切り出します。
手作業による汎用の機械が多くあります。
弓のこ盤とは:引用元: 海上技術安全研究所鋸盤「丸棒を切り出す」
丸棒を切り出すのには「弓のこ盤」を使う。
図1に示す弓のこ盤は,弓状の「のこ刃」が自動的に往復運動する。
材料を固定し,その上に「のこ刃」を乗せれば,自動的に丸棒を切断できる。
帯のこ盤(帯鋸盤)と、バンドソー・コンターマシン
帯のこ盤は、帯状の「のこ刃」の回転運動で材料を切り出す機械です。
のこ刃は環状のわっかになっており、高速回転することで、直線や曲線の加工もできます。
横形の機械は「バンドソー」、立形の機械は「コンターマシン」とよばれ、NCで自動化された機械が数多くあります。
バンドソー
バンドソーは、横形の帯のこ盤です。
コンターマシン
コンターマシンは、立形の帯のこ盤です。
丸のこ盤(丸鋸盤)
丸のこ盤は、円盤状の「のこ刃」の回転運動で材料を切り出す機械です。
作業効率がよく機械の剛性が高いため、大きな材料の切り出しにも使われます。
のこ盤(鋸盤)とは?まとめ
この記事では、のこ引き加工と「のこ盤」の種類について解説しました。
のこ盤は、ものづくりを影で支える重要な機械です。
金属加工のはじめの工程として、ムダがでない材料取りと自動化が改めて注目されています。
本記事が、工場自動化のヒントになればうれしいです。