FAQ| クーラント液が変色・悪臭を放つ原因と対策は?
- 更新日:
- 2026/01/10 (公開日: 2026/01/10 ) 著者: 甲斐 智
クーラントの色が濃くなったり、黒ずんできた。機内を開けるとツンとした臭いや腐敗臭がする──こうした変化は、クーラント液が本来の状態を保てていないサインです。見た目や臭いの変化は、加工品質だけでなく作業環境(肌荒れや健康被害)にも悪影響を及ぼします。
-
Q
なぜクーラントから「卵が腐ったような臭い」がするのですか?
A酸素を嫌う「嫌気性菌(硫酸塩還元菌)」が繁殖し、硫化水素を発生させているためです。
休日などの機械停止中にクーラントの循環が止まると、液中の酸素が消費され、嫌気性菌が活発になります。これらは液中の成分を分解して強烈な臭いを発します。また、この菌は金属を腐食させる性質も持っているため、放置すると機械の錆の原因にもなります。 -
Q
「トランプオイル(浮上油)」が混ざると、なぜ劣化が早まるのですか?
A液表面を油が覆うことで「蓋」をしてしまい、空気(酸素)の供給を遮断するためです。
摺動面油などが液面に浮くと、液が空気に触れられなくなり、前述の嫌気性菌にとって絶好の増殖環境となります。また、浮上油自体がバクテリアの「エサ」となり、腐敗をさらに加速させます。項目 内容 対策 オイルスキマーを常時稼働させ、浮上油を速やかに除去することが、悪臭対策の第一歩です。 -
Q
液の色が「黒ずむ」「ピンクや緑に変色する」のは何が起きている?
A混入した金属微粉との反応や、特定の菌の繁殖、添加剤の化学変化が考えられます。
変色の色 主な原因 黒・灰色 微細な切粉(特に鋳鉄)が酸化・蓄積している、または腐敗の進行。 緑・青 銅合金の加工により、銅イオンが溶け出している。 茶・赤褐色 鉄サビの混入、または液の極端な酸化。 -
Q
新しい液に交換しても、数日でまた臭いが出てしまう場合の改善策は?
A「タンク底のスラッジ除去」と「配管内の徹底洗浄」が必要です。
液だけを入れ替えても、タンクの隅や配管の壁にこびりついた「バイオフィルム(菌の膜)」が残っていると、新しい液をすぐに汚染してしまいます。項目 内容 システムクリーニング 新液投入前に専用のシステムクリーナー(殺菌洗浄剤)を循環させ、配管内まで殺菌してから全換装を行うのが鉄則です。 濃度管理 希釈率が低すぎると防腐剤の効力が弱まります。屈折計で毎日濃度をチェックし、適正範囲を維持してください。
液寿命は「酸素」と「清潔」で決まる
クーラントの変色や悪臭は、管理不良が限界に達した結果として現れます。腐敗は一度始まると補充だけでは食い止められません。「浮上油の除去」「適正濃度の維持」「定期的な循環(酸素供給)」という3原則を徹底することで、液寿命を大幅に延ばすことができます。日常点検で「臭い・色・泡立ち」の変化にいち早く気づき、早めの処置で快適な加工環境を維持しましょう。
| FAQについて | 本FAQはトラブル解決を保証するものではありません。あくまで参考情報としてご活用ください。 実際の原因と対策は、加工条件・設備・環境によって異なります。 |
|---|




