ブローチ加工の要約
ブローチ加工とは、「ブローチ」とよばれる多数の刃を直線状に並べた工具を用い、ワークの内面や表面を一気に削る除去加工です。エンジン部品のキー溝やスプライン加工、歯車の内歯など、精密で複雑な形状を高精度・高能率で加工できるのが特徴です。
ブローチ加工の仕組み
- 1本のブローチに「荒刃」から「仕上げ刃」までが順に配置されており、1回の送りで荒加工から仕上げまで完了。
- 切削量が均一で、寸法精度・面粗度が高い。
- 加工内容に合わせて専用設計されるため、量産向きで少量生産には不向き。
NCブローチ盤とは
ブローチ盤は、ブローチを直線的に動かしてワークを削る専用工作機械です。ブローチの長さは800〜2400mmと長く、切削力が大きいため、機械には高剛性が求められます。英語では CNC Broaching Machine と呼ばれます。
主な種類
① NC内面ブローチ盤
- 穴の内側を加工するタイプ。
- キー溝・スプライン・内歯車などの製作に使用。
- 下穴を開けた後、その内面をブローチで仕上げる。
② NC表面ブローチ盤
- ワークの表面に溝を削るタイプ。
- スプロケットや歯車などの外周溝加工に使用。
- フライス加工に比べて高精度・高能率。
③ 構造・駆動方式の違い
- ブローチを引き抜く「引抜き形」と、押し込む「押抜き形」がある。
- 省スペースで安定した「立形」と、メンテナンス性に優れた「横形」がある。
ブローチ加工が行えるその他の機械
- NC旋盤: 専用ツールを用いて簡易的なブローチ加工が可能。
- マシニングセンタ: ブローチ動作を模した溝加工に対応。
- ターニングセンタ: 旋削とブローチ加工を組み合わせた複合加工に対応。
- NC専用機: 特定部品の高精度ブローチ加工向けに設計。
削り加工との違い
- 削り加工は、工具またはワークの往復運動で少しずつ削る。
- ブローチ加工は、一方向の送りで一気に仕上げるため効率が高い。
- 高精度・量産性に優れ、断面形状を一定に保てる。
まとめ
ブローチ加工は、複雑な断面形状を一度の工程で高精度に仕上げることができる加工法です。 現在は汎用NC工作機械の高性能化により使用機会は減りましたが、自動車部品・歯車・スプライン軸など精密部品の生産には欠かせない重要な工程として活躍しています。
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