絞り加工の要約
絞り加工は、金属板をプレスしてカップ状や箱形に成形する塑性加工です。 板材をパンチで押し込み、つなぎ目のない立体形状を少ない工程でつくることができるため、 自動車のボディやシンク、鍋など幅広い製品に使われています。
絞り加工の基本と工程
- 1. 板材のセット: ダイ(下型)に板材を置き、「しわ押さえ(ブランクホルダー)」で固定。
- 2. パンチ成形: パンチを押し当てて板を引き込み、底のある立体形状を形成。
- 3. 再絞り: 深さが必要な場合、複数回に分けて絞る(初絞り→再絞り)。
- 4. トリミング: 成形後の「耳(余肉)」を切除し、必要に応じてフランジを形成。
絞り加工の主な種類
- 円筒絞り: もっとも基本形。カップやボウル形状。
- 角筒絞り: 四角形状を成形。シンクや箱物製品に多い。
- 異形絞り: 複雑な形状の成形。自動車・電子部品などに利用。
特殊な絞り加工
- 温間絞り加工: 局部加熱により材料の伸びを改善し、深い絞りを実現。 アルミ・ステンレスなど難加工材に有効。
- しごき加工(アイオニング): 絞り後に板厚をしごいて薄く均一化。 高精度かつ深絞りが可能になる。
類似加工との違い
- 張り出し加工: 板を固定しパンチで押し出す。板厚は薄くなる。
- スピニング加工(へら絞り): 板を回転させながらローラーやヘラで成形。 小圧力で成形でき、小ロットや大型品に適する。
- ダイレスフォーミング: 金型を使わず、NC制御で押し棒を動かし成形。 試作・多品種小ロットに活用される新技術。
絞り加工で発生する不良と対策
- しわ: 板が引き込まれる際のゆがみ。 しわ押さえや絞りビード(くぼみ)で金属流動を制御し防止。
- ワレ: 押さえが強すぎたり、金属流動が悪いと発生。 適切なクリアランスと加圧調整で防ぐ。
- ネッキング: 過度な引張りによる「くびれ」。ワレの前兆として注意が必要。
絞り加工用プレス機械
複動プレスが代表的で、パンチ駆動としわ押さえ駆動を分けた2軸構造を持つ。 高精度で安定した成形が可能で、深絞りや大型成形に用いられます。
まとめ
絞り加工は、プレス加工の中でも形状自由度が高く、 高強度・高精度な製品を効率よく量産できる加工法です。 ただし「しわ」「ワレ」などの不良が起こりやすいため、 金属流動や加圧条件の最適化、金型設計の工夫が成功の鍵となります。
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