曲げ加工の要約
曲げ加工とは、金属板をパンチ(金型)で押して曲げる塑性加工の一種で、プレス加工の中でも最も基本的な工法です。建材や自動車部品など、平板を立体的に成形する際に幅広く用いられています。
曲げ加工の基本
- 金属板をパンチとダイで挟み込み、所定の角度に変形させる。
- 板金加工において、抜き工程の後に行う代表的な成形工程。
- 加工はNC制御のプレスブレーキなどで自動化され、高精度に制御される。
主な曲げ加工の種類
① 型曲げ(V曲げ・L曲げ・U曲げなど)
もっとも基本的な曲げ方法。金型の形状や加圧方法によってさまざまな種類があります。
- V曲げ: V字型の金型で曲げる基本形。角度を自由に調整可能。
- L曲げ: 板を押さえながら直角に曲げる。長尺物にも対応。
- U曲げ: パンチと逆押さえでU字に曲げる。精度が高いが専用金型が必要。
- Z曲げ: 板をZ字に曲げる加工。1工程または2工程で行う。
- R曲げ: 丸パンチを用いて曲線(アール)状に曲げる。
- O曲げ: 板を360°曲げて円筒形に成形する。
- ヘミング曲げ: 板の縁を180°折り返す。外観・安全性の向上に有効。
② 押さえ巻き曲げ
板材の端を押さえながら折り曲げる方法。フォールディングマシンを使用し、加工キズを抑えられる。
③ 成形加工(フランジ・バーリング・カーリング)
曲げと同時に形状を立体的に形成する複合的な加工。
- フランジ成形: 板の縁に「つば(フランジ)」をつくる加工。外板の強度向上に使用。
- バーリング加工: 板に縁つきの穴を形成し、ねじ穴や軸受け部に利用。
- カーリング加工: 板の縁を丸めて強度と安全性を高める。
④ 送り曲げ(ロール曲げ・ロール成形)
- ロール曲げ: 3本の回転ロールで板を送りながら曲げ、円弧やパイプ形状を形成。
- ロール成形(ロールフォーミング): コイル材を連続で送りながら複数ロールで断面を成形。レールやサッシなどの量産に最適。
スプリングバック(反り)の原因
曲げ加工では、金属の弾性によってスプリングバック(反り戻り)が発生します。薄板や硬質材ほど反りやすく、寸法精度を下げる要因となります。逆に高圧加工で内側に反る「スプリングゴー」も存在します。
精度向上のポイント
- パンチ圧力・金型Rの最適化でスプリングバックを抑制。
- ボトミングやコイニングによる高圧曲げで反りを減らす。
- 金型設計と材料特性(板厚・引張強度)のマッチングが重要。
まとめ
曲げ加工はプレス加工の中でも最も基礎的でありながら、金型設計・角度制御・材料特性の理解が精度を左右します。
V曲げ・L曲げ・U曲げといった基本原理を把握し、スプリングバック対策を行うことで、高精度で安定した成形が可能になります。
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