タッチプローブの要約
タッチプローブは、CNC工作機械の主軸に取り付けてワーク(加工物)の位置や寸法を高精度に測定する接触式センサです。 ミクロン単位で計測した結果をNCにフィードバックすることで、加工誤差を自動補正し、不良品の発生を未然に防ぎます。 またワークの原点出しや位置決めを自動で行うため、熟練者による段取り作業が不要となり、工作機械の自動化・省人化を実現します。
タッチプローブの基本動作
先端の測定子をワークに接触させ、信号が出力された瞬間の位置をデジタルスケール(位置検出センサ)で読み取ります。 これにより、端面・穴径・外径・段差など多様な形状を機上で測定可能です。 測定結果はNCに記録され、加工後の誤差分析や設備保全にも活用されます。
主な用途
- ワークの原点出し:加工前の基準面や中心を自動測定。
- 寸法測定:加工後の端面間距離や高さを確認。
- 内径・外径測定:穴のピッチ測定や外形精度の確認。
- 段差・溝幅測定:段付き加工や溝加工の寸法確認。
信号伝達方式の種類
赤外線方式
- 赤外線で測定信号を送信。
- 構造がシンプルで多くのNC機で採用。
- 受信部がワークと干渉しないよう設置が必要。
無線方式(2.4GHz)
- 広範囲通信が可能で、5軸加工機など複雑な動きにも対応。
- 通信安定性が高く、機内干渉の影響を受けにくい。
誘電(誘導)方式
- 近距離のコイル間で信号を伝達し、電池不要の無線給電方式。
- 構造がコンパクトだが、受信距離が数ミリと短く設置制限あり。
機種別のタッチプローブ
マシニングセンタ用
主軸に装着してワークの位置・寸法を機上で測定。ATC(工具自動交換装置)に格納され、自動的に呼び出されます。
NC旋盤用
タレット(刃物台)に取り付け、加工前後のL寸や原点を自動測定。主にワイヤレス式が使われます。
研削盤用
有線式が主流で、砥石の摩耗検知やワーク外径・高さの測定に使用されます。
ロボット用
溶接や組立ロボットに搭載され、ワーク位置検出や寸法補正を自動化。
簡易型タッチプローブ
汎用機で使用する手動式のタッチセンサ。 ダイヤルゲージやLEDで接触点を表示し、段取り補助として利用されます。
まとめ
タッチプローブは、工作機械の自動化・高精度化を支える中心的センサです。 赤外線・無線・誘導などの伝達方式により、用途や環境に応じた選択が可能。 「ツールセッター」と組み合わせることで、工具・ワークの両方を自動測定し、CNC加工ライン全体の精度と稼働率を向上させます。