シャーリングマシンの要約
シャーリングマシンは、金属板を直線的に切断するせん断加工用のプレス機械です。 上下の長い刃で板を「はさみ」のように押し切る構造をもち、鋼板・アルミ・ステンレスなどの定尺材を所定サイズに切断します。 シンプルで効率のよい切断機として、多くの板金・プレス工場で利用されています。
基本構造と仕組み
- 稼働刃(上刃)と固定刃(下刃)の間に板をセットし、上刃を押し込んで切断。
- 「バックゲージ」で位置決めし、寸法精度を確保。
- 上刃には角度(シャー角)がついており、少ない力で滑らかに切断。
- 切断後はコンベアで搬出し、現在はNC制御による自動シャーが主流。
切断能力と調整項目
シャーリングマシンの切断能力は、板厚・材質・刃長によって決まります。
- 切断板厚:一般に鋼板6mm程度まで。厚すぎると刃欠けや故障の原因。
- 切断長さ:1,200〜6,000mmまで。6m超の長尺材はレーザーなどの特殊機で対応。
シャー角の調整
上刃の傾き角度。角度を大きくすると少ない加圧で切れるが、切断面が荒くなる。 材質や板厚、刃物の摩耗状態に応じた調整が必要。
クリアランスの調整
上下刃のすき間。大きすぎるとバリやだれが増え、小さすぎると刃欠けや焼付きの原因。 板厚に応じて最適なクリアランスを設定することで、美しいせん断面が得られる。
シャーリングマシンの種類
駆動方式による分類
- 機械式:フライホイールでラムを駆動。高速・薄板向き。構造が単純でメンテ性が高いが、振動と騒音が大きい。
- 油圧式:油圧ポンプでラムを駆動。厚板にも対応し、静粛・高精度。油の管理が必要。
刃の稼働方式
- ギロチン式:上下動で切断。シャー角の調整が容易。
- スイング式:円運動で切断。クリアランスが一定で、せん断面がきれい。
関連機種・派生タイプ
- コーナーシャーリング:板材の角を切り落とす切り欠き加工機。
- ビレットシャー:連続鋳造材(ビレット)の切断機。
- ロータリーシャー:コイル材を連続的に回転切断。
- ギャップシャー:板材を送りながら連続せん断。
- ノッチングプレス:板の縁を切り欠くプレス機。
その他の切断加工機との違い
レーザー・プラズマ・ウォータジェットなどの熱・流体エネルギーによる切断機も存在します。
- レーザー加工機:熱で溶かして切断。精密で美しいがコスト高。
- プラズマ加工機:放電による切断。厚板向きでコストが低い。
- ウォータジェット加工機:高圧水で非熱切断。変形しやすい材質に適用。
まとめ
シャーリングマシンは、板金加工の最初の工程を担う重要なせん断機です。 シャー角とクリアランスの調整によって切断品質が大きく変わり、 油圧・機械式の選択により、加工対象や生産性も最適化されます。 レーザーやウォータジェットといった新技術が登場しても、 シャーリングマシンは「高効率・低コストの直線切断機」として、今なお現場の主役です。
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