アーク溶接の要約
アーク溶接は、金属同士を高温で溶かし接合する「材料的接合」の一種で、電極間のアーク放電によって発生する熱(約5,000~20,000℃)を利用します。母材同士が溶け合い、冷却によって一体化することで強固な金属結合が形成されます。現在、最も広く使われる溶接法の一つです。
アーク溶接の原理
- 電極を短絡後に引き離すと、電位差によりアーク(放電現象)が発生。
- アーク熱によって母材表面が溶融し、両側の金属が混ざり合って凝固。
- 冷却により、金属間で金属結合が形成され、強固に接合される。
アーク溶接の方式
- 非溶極式:電極が溶けない方式。代表例は以下の2つ。
- TIG(ティグ)溶接:タングステン電極+不活性ガス(Ar, He)。スパッタが少なく、高品質・高気密な溶接が可能。
- プラズマ溶接:TIGのアークをノズルで拘束し、高温・高密度のアークを形成。深い溶け込みが得られる。
- 溶極式:電極が溶けて溶加材となる方式。
- 被覆アーク溶接:心線にフラックスを被覆した溶接棒を使用。発生ガスが溶融池を保護。
- MIG/MAG溶接:シールドガスで溶接部を保護。MIGは非鉄金属向け、MAGは鉄鋼向け。
- サブマージアーク溶接:フラックス中で大電流溶接を行い、高能率・高品質な自動溶接を実現。
代表的な方式の特徴
- 被覆アーク溶接:構造物の溶接に広く使用。鉄系材料に適し、汎用性が高い。
- TIG溶接:美しい仕上がりでステンレスやアルミに最適。ただし速度が遅く、作業性は限定的。
溶接と加工の関係
工具製造では、溶接ドリル・溶接フライス・溶接リーマなど、異材の接合にアーク溶接が利用されます。また、溶接後に生じる溶接ビードは、見た目や衛生面からビードカット(フライス加工や研磨)で除去されることがあります。
主なトラブルと対策
- ピット・ブローホール:ガス供給や脱酸不良が原因。ガス流量と材料表面の清浄を確認。
- アンダカット・オーバラップ:電流・速度設定の誤りによる溶け込み不良。条件を最適化。
- 溶接割れ:冷却時の応力や水素混入が原因。予熱・後熱や温度管理で防止。
- スラグ巻き込み:不十分な清掃や入熱不足が原因。前層のスラグ除去を徹底。
- スパッタ:金属飛散物。アルゴン混合ガスの使用や電流制御で軽減。
まとめ
アーク溶接は、電気エネルギーを熱源とする高温接合技術で、構造物・機械部品の製造に欠かせません。用途に応じた溶接法(被覆アーク、TIG、MIG/MAGなど)の選定と、欠陥防止のための条件管理が高品質な溶接を実現します。
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